乾燥肌の原因とスキンケア方法まとめ

乾燥肌の原因とスキンケア方法まとめ

正しいスキンケアを身につけて肌の乾燥を防ぎましょう

正しいスキンケアを身につけて、肌の乾燥を防ぎましょう
スキンケアをしているつもりなのに、なんだか肌がつっぱっているような感じがする。肌がカサついて、ファンデーションがきれいにのらない。

肌にかゆみやピリピリとした痛みを感じる。そんな気になる症状があったら、それは乾燥肌かもしれません。

今回は、乾燥肌の原因と、適切なスキンケアの方法をお伝えしていきます。

乾燥肌とはどのような状態?

乾燥肌とはどのような状態?
本来、健康な肌は特別な保湿を行わなくても、自らが潤う力を持っています。しかし、

  • 強いストレス
  • 睡眠不足
  • 血行不良
  • バランスの悪い食事

などを繰り返していると、肌の新陳代謝がうまくいかくなってしまうようになり、ターンオーバー(肌が健康な状態を保つための仕組み)のサイクルが乱れてしまうのです。

その結果、角質層が不調をきたしてバリア機能が低下し、肌の内部から水分が蒸発して逃げて乾燥してしまったり、外部からの刺激に反応しやすくなってしまったりします。なお、一度ターンオーバーが乱れてしまうと、新しく生まれてくる細胞も未熟なものばかりになってしまい悪循環に陥りがちです。

そのため、乾燥肌のサイクルから簡単には抜け出せなくなってしまうという傾向があります。また、乾燥は顔だけに限らず、全身に症状が出る可能性も高いものです。

乾燥肌と敏感肌の違い

よく乾燥肌と並んで耳にするのが「敏感肌」ではないでしょうか。この2つは似ているようで、少し違います。

  • 肌が乾燥してしまっている状態を「乾燥肌」
  • ちょっとした外部刺激などにも敏感に反応するようになってしまっている肌を「敏感肌」

となります。ただし、敏感肌が原因で乾燥肌になってしまうこともありますし、乾燥肌が原因で敏感肌になってしまうこともあるので相互関係が存在していることが多いです。

ちなみに、敏感肌は生まれつき皮膚が弱かったり、アレルギー体質だったりする先天的なタイプと、乾燥などが原因で皮膚が敏感になってしまう後天的なタイプがあります。敏感肌の場合、アレルギー反応が出る物質に敏感なだけでなく、大気中のホコリや髪の毛などのささいな刺激でもかゆみや赤み、湿疹などの症状が出てしまうことがあります。

乾燥肌の症状

乾燥肌の症状
乾燥肌の症状は、人によって現れる症状や場所は多少異なりますが、概ね下記のような状態が多いようです。

どのような症状が出るのか
  • 肌の弾力性が失われる
  • つっぱるような不快感
  • カサカサやザラザラのような皮膚の凹凸
  • 白く粉を吹いたようになる

といった症状が現れる。

人によって、かゆみやピリピリとした痛み、湿疹、フケのように皮膚が剥がれ落ちる、ひび割れなどを伴うこともあります。

乾燥肌の状態が続くと、アトピー性皮膚炎などの様々な皮膚の病気を悪化させる原因にもなるので注意が必要です。

どのような場所が乾燥しやすいのか

乾燥肌になるのは顔だけではありません。どちらかというと、皮脂が少ない部位に症状が出やすい傾向があります。

体だと

  • ひざ
  • 手の甲

角質層が厚いかかとなどに出やすいです。また、

顔では

  • 目の周り
  • 口の周り

などが乾燥しやすい場所になります。

乾燥肌の原因について

乾燥肌の原因について
肌が乾燥するのは、角質層が乱れて、肌の水分を保持する力が低下してしまうからです。肌の乾燥に関わってくるのが、皮膚の一番外側にある角質層という部分になります。

角質層は0.02mm程度で、食品包装用透明ラップと同じくらいの厚さです。角質層の中は「角質細胞」や「細胞間脂質」がブロックのように並び、さらに10~20くらいの層になって積み重なっていることで肌のバリア機能が働いています。

角質細胞がすき間なくきれいに並んでいることにより、外部からの水分の侵入や、内側からの水分蒸発を防いでくれる仕組みになっているのです。しかし、様々な要因で角質層が乱れてバリア機能が低下してしまうと、肌の水分が逃げやすい状況になってしまい乾燥肌になってしまいます。

では、どのようなときにバリア機能が低下してしまうのでしょうか。乾燥肌になってしまう原因は、いくつかあります。

加齢による肌の衰え

私たちの肌は20歳をピークに乾燥しやすくなるといわれています。その原因が、加齢による肌の保湿力低下です。

角質層で肌の潤いに重要な役割を果たしているのは、

  • セラミドなどの「細胞間脂質」
  • アミノ酸や尿素などの「天然保湿因子(NMF=ナチュラル・モイスチャライジング・ファクター)」
  • 皮膚の表面を覆うことで乾燥を防いでいる「皮脂」

などの物質です。しかし、これらの物質の分泌量は、加齢に伴い減少します。

そのため、ケア方法などで個人差は出ますが、年齢を重ねるにつれて皮膚のバリア機能が低下して、乾燥したり外部からの刺激に弱くなったりするのです。また、美のホルモンといわれるエストロゲンの減少も、乾燥の原因になっています。

加齢に伴い女性ホルモンの分泌量が減少していくと、肌の弾力を保っている真皮層のコラーゲンやエラスチンなどの量が減少し、真皮層自体が薄くなってしまうのです。

その結果、皮脂を分泌する力が弱くなり肌の乾燥が目立つようになります。

紫外線による影響による肌へのダメージ

紫外線による影響による肌へのダメージ
肌が老化する原因の7割は、紫外線によるダメージだといわれています。

日光を浴びやすい手の甲や顔と、露出が少ない腕の内側や太ももなどを比べてみると、肌の状態が明らかに違うのでわかりやすいのではないでしょうか。

人の体に害を与える紫外線には、A波(UVA)とB波(UVB)が存在しています。肌の表面がヒリヒリと痛くなり、赤く炎症を起こしてしまうのはB波が原因。

日焼けを繰り返していると、メラニンを増加させてシミやそばかすになるだけでなく、角質層がダメージを受けて乾燥を引き起こす原因になります。それに対し、A波の威力は弱いため急な炎症を起こす原因にはなりません。

しかし、波長が長いので皮膚の深いところまで届きます。真皮まで届いた紫外線は、肌に弾力を与えるコラーゲンやエラスチンを破壊してしまうため、やはり肌の乾燥や老化の原因になります。

なお、紫外線でダメージを受けた皮膚は刺激をとても受けやすい状態です。そのため、内部に紫外線がさらに侵入しやすくなり、乾燥が進みやすい傾向があります。

微量な紫外線でも、できる限り浴びないように心がけることが大切です。

生活習慣による乾燥肌

生活習慣による乾燥肌
肌が乾燥しやすい方は普段の生活習慣により、肌を守る皮脂膜が失われてしまっている可能性があるので要注意です。

生活の乱れ
  • 強いストレス
  • 睡眠不足
  • 不規則な生活

などを繰り返していると、自律神経が乱れて体の免疫力が低下します。その結果、肌のバリア機能も低下して肌が乾燥しやすい状態になります。

また、睡眠不足は、成長ホルモンが分泌されにくくなるためターンオーバーが乱れる原因です。

入浴方法が間違っている

42度以上のお湯や長時間の入浴は、皮脂や保湿成分が流れ出す原因になるといわれています。

また、ボディーソープや石鹸で毎日ゴシゴシと洗っていると、皮膚にダメージを与えていたり、皮脂を奪いすぎてしまっていたりする可能性があります。

肌の乾燥が気になる場合は、二の腕や足などの皮脂腺が少ない部分の洗浄頻度を減らしてみる、手のひらで優しく洗うなどよいでしょう。なお、入浴後は肌の水分が蒸発しやすいので、できるだけ早く保湿をすることも大切です。

食生活による肌への影響

食生活による肌への影響

  • お菓子が食事の代わり
  • ジャンクフードばかり食べている
  • 夜はお酒とおつまみだけ

そんな食生活を送っている人は、肌が乾燥しやすい傾向があります。

肌は、私たちが食べたものによって作られています。そのため、必要な栄養素をしっかり摂取していないと、健康な肌を作り出すことはできません。

例えば、細胞の原料となり皮膚を作る「たんぱく質」

  • 代謝を促進したり天然保湿因子の生成を促したりする「ビタミンA」
  • 肌の再生を促す「ビタミンB2」や「ビタミンB6」
  • 抗酸化作用が高い「ビタミンC」
  • 肌細胞の細胞膜を作るのに必要な「必須脂肪酸」

などが健康な肌のために必要な栄養素です。また、脂質をあまり取らないようにしている方も多いかもしれませんが、肌には皮脂が必要です。

体内の必須脂肪酸が不足すると、肌が乾燥する原因になります。しかし、必須脂肪酸は体内で生成することができないので食事から取り込むようにしてください。

遺伝的な要因による乾燥肌

遺伝的な要因による乾燥肌
後天的な乾燥肌ではなく、先天的に肌が乾燥しやすいというケースもあります。肌の水分保持、潤いや柔軟性の維持などに重要な保湿成分「セラミド」の量が、遺伝的な要因で生まれつき少ない人がいることがわかっています。

肌の表面にある角質層は、角質細胞が重なりあうことでバリア機能を果たしているのですが、そのすき間を埋めているのが細胞間脂質です。

そして、細胞間脂質は、

  • セラミド
  • 遊離脂肪酸
  • コレステロール

などで構成されています。

しかし、生まれつきセラミドの量が少ないと皮膚に水分が保持できなくなるため、バリア機能が低下して乾燥や肌荒れなどのトラブルが起こりやすくなってしまうのです。セラミドは加齢に伴い減少する物質です。

そのため、これ以上減らさないように気をつけてケアをする必要があります。最近ではスキンケアアイテムにセラミドが配合されている商品が増えているので、そういった商品を活用するのもよいでしょう。

セラミド配合の化粧品などを直接肌につけることで、角質層に浸透させ、肌の水分量を上げやすくすることができるといわれています。

間違ったスキンケア

間違ったスキンケア
毎日のスキンケアが間違っていると、肌が乾燥する原因になります。例えば、スッキリするからと洗浄力が強いクレンジングや洗顔を使っている方は、皮脂を落としすぎている可能性が高いです。

確かにメイクや汚れがよく落ちるのできれいになるかもしれませんが、大切な皮脂まで落としてしまっては意味がありません。同じ理由で、一日に何度も洗顔をすることはおすすめできません。

また、洗顔後にタオルでゴシゴシと拭きとる行為は、肌にダメージを与える原因になるので要注意です。とにかく肌は柔らかく、デリケート。

そっとタオルを押し当てて水分を拭きとるように心がけましょう。これは入浴後の体を拭く際にも気をつけてほしい点です。

なお、洗顔後の肌は乾燥しやすい状態になっているので、できるだけ早く水分を拭きとり、化粧水で水分を補いましょう。そして、せっかく補った水分が蒸発しないように、その上から乳液やクリームでしっかりと蓋をしてあげることが大切です。

乾燥肌の正しいスキンケア方法

自分の肌質を理解した上で、それにあったケアを行っていくのが最適です。

乾燥肌のスキンケアは、

  • 肌を清潔にする
  • 肌に潤いを与える
  • 紫外線や外部刺激から肌を守る

ことがベースです。

基本をしっかり押さえて潤いを失わないように気をつけていれば、比較的良好な状態の肌を保つことができます。ただし、乾燥肌の方はすでに角質層がダメージを受けていたり、肌の水分量が人より少ない状態になってしまったりしている可能性が高いです。

そのため、下記のような点に注意をしながら、お肌への負担を減らす環境を整え、ダメージを回復できるようにケアしてください。また、すでに肌がダメージを受けていると、スキンケアアイテムの種類によってはピリピリとした刺激を感じたりすることも多いです。

乾燥肌や敏感肌用の低刺激タイプを選ぶようにするとよいでしょう。

1.洗顔

1.洗顔
肌を清潔に保つために、洗顔は大切です。ただし、乾燥肌の場合は皮膚が敏感になっている可能性が高いので、できるだけ刺激が少ない穏やかな洗浄力の洗顔料を選ぶようにしましょう。

合成界面活性剤、防腐剤、香料、着色料などは刺激物になることが多いので要注意です。購入する際に成分表を確認して、できるだけシンプルなものを選ぶことをおすすめします。

また、汚れが気になるからといって一日に何度も洗顔をしてしまうと、必要な皮脂まで洗い流されてしまい乾燥が悪化する原因になります。朝晩の2回程度にとどめ、洗顔料の使用も夜だけにするなど、肌の状態に合わせて臨機応変に対応するようにしてください。

洗顔のポイント

  • 洗顔料は、ネットなどを使用してよく泡立てる
  • 泡で顔の表面をなでる程度にし、ゴシゴシとこすらない
  • 熱いお湯は乾燥を悪化させるので、35~38度くらいのぬるま湯でしっかりとすすぐ
  • シャワーを直接、顔に当てると刺激になるので、手にお湯をためてすすぐようにする
  • 洗顔後の水分除去は柔らかいタオルでそっと押さえる程度にし、できるだけ早く拭きとる
2.クレンジング

2.クレンジング
メイクをしている方は、日々の洗顔の前にクレンジングも必要になりますよね。クレンジングを選ぶポイントとしては、メイクは落とすけれど、肌に必要な皮脂や角質にダメージを与えないことです。

クレンジングには様々な種類がありますが、

乾燥肌の方は

  • ミルクタイプ
  • クリームタイプ
  • バームタイプ

などの洗浄力が穏やかなものを選ぶとよいでしょう。また、ポイントメイクが落ちにくい場合は、専用のリムーバーでその部分だけをクレンジングするのがベストです。

乾燥によってダメージを受けている皮膚はとてもデリケートなので、ゴシゴシとこするシートタイプや、洗浄力が強いオイルタイプなどは適していない可能性が高いです。肌の調子がいまいちだと感じているなら、一度異なるタイプのクレンジングに変えてみるとよいかもしれません。

クレンジングのポイント

  • クレンジングの量が少ないと、摩擦で肌への負担が大きくなるので要注意
  • ゴシゴシこするのではなく、メイクとクレンジングをなじませるようにする
  • 肌に長く乗せていると乾燥の原因になるので、30秒~1分程度を目安にする
  • W洗顔不要なクレンジングを使うと、肌への負担軽減になる
  • メイクがクレンジングになじんだら、ぬるま湯でしっかりすすぐ
3.保湿

3.保湿
洗顔後の肌は水分が蒸発しやすいので、できるだけ早く保湿ケアをしましょう。種類としては、化粧水・保湿美容液・乳液・クリームなどがあります。

一般的には、化粧水を塗布してから乳液またはクリームという流れが多いようですが、商品によって順番が指定されている場合は使用方法を守るようにしてください。

また、べたつくのが嫌だからと乳液やクリームの量を減らしたり、使用しなかったりする方もいますが、せっかく化粧水で補った水分が逃げやすくなるのでよくありません。

しっかり塗布して、肌の乾燥を防ぐようにしてください。なお、保湿ケアのアイテムを選ぶ際も、乾燥肌の方はアルコールや保存料、合成着色料、香料などが含まれていない低刺激のものがおすすめです。

また、肌内部の細胞間皮質に働きかけるような「セラミド」、「コラーゲン」、「アミノ酸」などの成分が入ったものを選ぶと、保湿効果が高まります。

保湿のポイント

  • 洗顔後はできるだけ早く保湿ケアをしましょう
  • 化粧水で水分を補った後は、乳液やクリームの油分で蓋をしましょう
  • ムラなく肌全体につけるようにしてください
  • 肌をいたわるように、優しく浸透させるようなイメージで塗りましょう
4.紫外線対策

4.紫外線対策
乾燥によりバリア機能が低下してしまっている肌は、普段よりも刺激に弱い状態になっています。そのため、夏以外の季節も必ず紫外線対策をするようにしましょう。

日焼け止めには

  • ジェル
  • ミルク
  • クリーム
  • スプレー

などの種類があります。ジェルタイプは塗り心地がよく人気が高いのですが、エタノールが含まれていることが多いです。

エタノールは肌の水分を奪うことがあるので要注意です。また、ヒアルロン酸やセラミドといった保湿成分が含まれている商品も増えています。

乾燥がひどい場合、選択のひとつとして検討してもよいかもしれません。

なお、日焼け止めには「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」という2つのタイプがあります。

「紫外線吸収剤」は一度紫外線を吸収し、熱エネルギーに変えて放出するタイプです。化学反応を起こすので、肌にとって刺激となってしまうことがあります。

そのため、乾燥肌の方はどちらかというと紫外線を反射させることで防ぐ「紫外線散乱剤」がおすすめです。ただし、最近では紫外線吸収剤が直接肌に触れないように工夫されている商品もあるので、選ぶときに気をつけてみてください。

「紫外線吸収剤フリー」や「ノンケミカル」といった表示がされているものは、紫外線散乱剤を使用しているケースが多いです。

季節ごとの乾燥肌対策アドバイス

乾燥肌は冬のトラブルだと思われがちですが、実は一年を通してケアが必要です。確かに冬は空気が冷たく乾燥していることもあり、お肌が乾燥しやすい時期です。

しかし、春や秋は季節の変わり目ということもあり体調や肌が不安定になりやすく、夏は紫外線や冷房による乾燥でダメージを受けることがあります。そのため、季節に応じた乾燥肌対策を行っていくとよいでしょう。

また、季節の変わり目、ある特定の季節だけ肌の調子が悪くなるケースがあります。そのような方は「季節性敏感肌」かもしれません。

かゆみやピリピリなどの症状が出たり、いつも使っているスキンケアアイテムが突然、合わなくなってしまったりする場合は、そのときの症状に合わせた対応をするように心がけてください。いつも通りのケアでは、症状が悪化してしまう可能性が考えられます。

春は花粉に注意

春は花粉に注意
春は寒暖差が激しいため、体調を崩す方も多いのではないでしょうか。また、新年度に向けて環境の変化などがあり、心理的なストレスが増えるのもこの季節です。

そのため、春は肌の調子が不安定になりやすい傾向にあります。また、春は花粉によるトラブルも気になります。

花粉と聞くと、鼻水や目のかゆみをイメージする方が多いかもしれませんが、実は肌にとってもアレルゲンとなるのです。冬に受けた乾燥によるダメージでバリア機能が低下しているところに、スギやヒノキなどの花粉が付着してしまうと体は異物と認識してアレルゲンを追い出そうと攻撃を始めます。

その結果、アレルギー反応が炎症となって現れ、ひどいときはかゆみや湿疹の原因になってしまうのです。普段から花粉症でお悩みの方は、肌にも症状が出やすい傾向があるので要注意。

風が強い日は外出を避ける、マスクや眼鏡、帽子などでアレルゲンの付着を防ぐなどの対策をおすすめします。

夏場のエアコンは肌の水分を奪う

夏場のエアコンは肌の水分を奪う
夏は汗をかくので肌が乾燥しているという印象が薄いかもしれませんが、実は肌が乾燥する理由がたくさんあります。意外と見落とされがち理由がエアコンです。

夏になると室内でエアコンをつけて過ごす時間が増えるのではないでしょうか。冷房が効いた室内の湿度は、1時間使用していただけで約40%まで下がるといわれています。

この40%という湿度は、冬の乾燥した空気とほぼ同じ。外では暑いため、汗をかいて水分不足になり、室内では空気が乾燥していて肌の水分を奪っていくため乾燥肌になりやすいのです。

そして、冷房が効いた部屋から一歩外へ出ると、強い日差しや紫外線によるダメージが待っています。また、暑さで食欲が低下したり、冷たいものばかり口にしたりするようになるのも乾燥の原因です。

あっさりした食事ばかりを選んでいると、どうしてもたんぱく質やビタミンなどの栄養素が不足してしまいがちです。また、体内から冷やされることで血流が悪くなり、乾燥を誘発する原因となります。

秋の気温の上下が肌ストレスに

秋の気温の上下が肌ストレスに
夏も終わり季節的には過ごしやすくなっているのですが、なぜか秋になると肌のトラブルを訴える方も少なくありません。

普段は特に肌に問題がない方でも、この季節だけは肌がくすんでいるように感じたり、ハリのなさが気になったりする方が増えます。

その原因は、夏に浴び続けた紫外線の影響に加えて、秋の寒暖差が関係してきます。秋になると季節の変わり目ということもあり、天候が不安定なことが多いですよね。

特に10月から11月にかけて気温や湿度が急激に上下するため、洋服の調整も難しいですが、体調の管理も難しいことが多いのではないかと思います。暑い日もあれば、寒いと感じる日が断続的に繰り返されるため、気温の上下が肌にとってちょっとしたストレスになってしまうことがあります。

人はストレスを感じると、血管が収縮したり、ホルモンバランスが乱れたりします。その結果、免疫力が低下して肌のターンオーバーが乱れてバリア機能が低下してしまうのです。

そのため、秋は肌荒れが起こりやすく、治りにくい季節といえるでしょう。

冬場の暖房による乾燥肌を予防しよう

冬場の暖房による乾燥肌を予防しよう
冬はもともと気温が低く、大気が乾いているため乾燥肌になりやすい人が多いです。それに加え、気温が下がって寒くなると体が冷えて血管が収縮します。

冷えから血流が悪くなってしまうため、全身に必要な栄養素が行き渡りにくくなって乾燥肌が起きやすくなるのです。そのため、体を温める食べ物を意識的に摂取したり、体を動かして温めたりして、血流をよくするようにしてみましょう。

また、寒い冬を過ごすのに必要不可欠なエアコンなどの暖房器具も乾燥肌の原因になります。暖房器具を使用すると室内の気温は上がりますが、湿度は低下します。

そのため、空気が乾いて、どうしても乾燥肌を引き起こす原因になってしまうのです。とはいえ、体が冷えすぎるのもよくないので、暖房なしというわけにはきませんよね。

室内で暖房器具を使用する場合は、加湿器を併用したり、濡れたタオルを部屋に下げておいたり、対策していくことをおすすめします。

肌が乾燥しているのに脂っぽいという場合

肌が乾燥しているのに脂っぽいという場合
まれに肌は乾燥しているのに、Tゾーンだけべたついて脂っぽいという方がいます。顔の中でも部位によって皮脂と水分のバランスが異なるタイプは、ちょっとケアに気をつけてあげる必要があります。

こういった肌質になる原因は、

  • 生理前後
  • 季節の変わり目でホルモンバランスが乱れてしまっている
  • 過度のストレス
  • 間違ったスキンケア
  • 肌に合わない化粧品を使い続けている
  • エアコンなどによる乾燥

などが考えられます。取り除ける原因があるなら、まずは取り除いてみましょう。

基本的なケアは、乾燥肌の部分に合わせて行い、皮脂が気になるところだけ再度余分に洗うなどの対応をするとよいです。また、パーツに合わせて使用する保湿アイテムを変える方法も有効かもしれません。

例えば、Tゾーンはテカリやべたつきが気になるのでさっぱりタイプを、乾燥しがちなその他のゾーンはしっとりタイプをといった感じで、肌質に合わせたケアアイテムを使用するのも有効です。

湿疹やかゆみなどを伴う乾燥肌は専門医へ相談

湿疹やかゆみなどを伴う乾燥肌は専門医へ相談
皮膚が乾燥してしまうだけなら、誰にでも起こりうる症状です。しかし、乾燥が悪化してしまうと、乾燥性皮膚炎という状態になってしまうことがあります。

乾燥性皮膚炎は別名「皮脂欠乏性湿疹」と呼ばれており、症状が進行すると強いかゆみや水ぶくれなどの湿疹を伴うようになります。皮膚に湿疹ができてしまうとターンオーバーのサイクルが短くなるため、肌が今まで以上にカサカサした状態になりがちです。

乾燥肌との違いがわかりにくいので放置してしまいがちですが、ひどくなるとセルフケアでは手に負えないケースも出てきます。強い痒みや湿疹などの気になる症状が現れているときは、早めに皮膚科を受診するようにしてください。

加齢乾燥性皮膚炎は、加齢や洗いすぎによる皮脂不足で起こりやすいです。清潔さは大切ですが、洗いすぎは皮膚にとってよくありませんので、ほどほどにしましょう。

乾燥肌におすすめな食べ物

乾燥肌におすすめな食べ物
健康な肌を作るために、必要な栄養素が含まれた食事をするように心がけましょう。

肉類や魚介類、豆類、卵

私たちの体はたんぱく質で作られています。健康な肌を作りたいならしっかりとたんぱく質を摂取するようにしてください。

成人女性なら1日50g程度が理想です。また、肉なら赤身、魚類ならカツオやマグロなどの赤身や、青魚などがおすすめです。

緑黄色野菜やレバー

緑黄色野菜やレバーには、ビタミンAやビタミンB群が多く含まれています。

  • ビタミンAは皮脂腺の機能を改善し、肌に潤いを与える助けをしてくれます
  • ビタミンB2は美容のビタミンとも呼ばれていて、皮膚や粘膜の機能を維持したり代謝を促したりしてくれます
  • ビタミンB6は皮膚の元になるたんぱく質の分解と合成を助ける働きがあります
ナッツ類やアボカド

別名「若返りのビタミン」と呼ばれているように、ビタミンEには高い抗酸化作用があります。

血行を促進して老化を防ぎ、体の中から美しい肌を作り出してくれる効果があります。

一度の食事で必要なすべての栄養を摂取することは難しいかもしれませんが、様々な食べ物を少しずつ食べることで、幅広く栄養を摂取するようにしてください。

乾燥肌にNGな食べ物

乾燥肌にNGな食べ物
乾燥肌によい食べ物は説明しましたが、逆に乾燥しているときに摂取しない方がよい食べ物もあります。

ジャンクフードなど

食品添加物や油脂、糖質が多く含まれているジャンクフードやインスタント食品はよくありません。これらはカロリーが高い上に、体に悪い脂質も多く、皮膚にとってよくない影響が大きいです。

また、過剰な糖分は肌の老化を早める原因にもなります。

カフェインやアルコール

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインやお酒に含まれるアルコールもよくありません。利尿作用が高いため、大切な体内の水分を排出しすぎてしまうからです。

体を冷やす食べ物

冷たい飲み物や食べ物は、体を冷やしてしまうためよくありません。体内から冷えてしまうと血行不良になり、代謝不良や、体の隅々まで必要な栄養素を送り届けることができなくなってしまいます。

乾燥が気になっているときは、できれば常温または温かいものを摂取するように心がけましょう。

まとめ

1. 肌がバリア機能を失うと、ターンオーバーが乱れて乾燥肌になります
2. 加齢、紫外線、生活習慣、食生活、遺伝など、様々な要因で乾燥肌になります
3. 正しいスキンケアを行うことで、乾燥肌を改善していきましょう
4. 季節によって原因が異なるので、合わせた対策をしましょう
5. 乾燥肌を改善するには、食事の見直しも大切です

本来、健康な肌は自ら保湿を行うため乾燥することはありません。しかし、何らかの理由によりバリア機能が低下すると乾燥肌になってしまいます。

乾燥肌は季節を問わず、一年中、誰にでも起こる可能性があります。気になる症状が現れたら、乾燥肌に合わせたケアをするように心がけましょう。