しつこい角栓は実は肌の乾燥が原因って本当?

しつこい角栓は実は肌の乾燥が原因って本当?

表面があぶらっぽくても、本当は肌の内部が乾燥していると、角栓ができやすくなります。

表面があぶらっぽくても、本当は肌の内部が乾燥していると、角栓ができやすくなります。
30~40代の人で、鼻の周りの毛穴に埋まった、プツプツとした角栓が気になっている人は多いことと思います。

同時に夕方になると皮脂が浮き出てきてべたつき、化粧崩れが目立ってくるのではないでしょうか。

「角栓ができるのは、皮脂が多く分泌されているせいだ」と思い、顔から皮脂を取り除くために何かしていませんか?

・洗浄力の強い洗顔料を使い、温度の高いお湯で1日に何度も洗顔する
・あぶらとり紙で数時間おきに皮脂をオフする
・はがすタイプの毛穴パックで、数日ごとに角栓除去をする

このようなことをしていませんか?

実はこれらはすべてNGなのです。
「自分の肌はあぶらっぽいオイリー肌だから角栓ができるのだ、だから皮脂を取り除こう」と考えている人は多いでしょう。しかしこれは誤解なのです。

本当は、肌が乾燥しているからこそ角栓ができてしまうのです。そして誤解のまま上記のような、さらに肌を乾燥させてしまうケアを行うことで、状況を悪化させるという悪循環になっているのです。

ですからまずは自分の肌についてきちんと理解しましょう。その上で適切なケアを行っていくことが、皮脂のべたつきや角栓のない健康的な肌を維持する秘訣なのです。

皮脂にも大切な役割があります

皮脂にも大切な役割があります
顔をテカテカにしてべたつかせる、ちょっと面倒な皮脂ですが、実は大切な役目があるのです。

肌は3層からなっており、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の順になっています。

その表皮のもっとも外側にあるのが「角質層」です。顔の角質層の厚さは0.02mmで、とても薄くなっています。

しかしこの角質層は外界から体を守るという、重要な役割があります。角質層の表面には、体から分泌された汗と皮脂が混ざってできた、「皮脂膜」が広がっています。

この水分と油分からできている皮脂膜は、体の内側から水分が蒸発をするのを防ぎ、外側からの細菌や刺激などの攻撃から体を保護するという、バリア機能があるのです。

このバリア機能がきちんと働いていることで、私たちは健康を維持しているのです。

しかし水分と油分の分泌のバランスが崩れると、肌荒れ、テカリや吹き出物などの肌トラブルになってしまいます。バリア機能にも支障をきたし、健康にも影響することがあります。

あぶらっぽいのに乾燥しているってどういうこと?

最初に肌の乾燥が起きるきっかけは、体の外からの要因では、紫外線の影響・エアコンの送風・季節的な湿度の低下・合わない化粧品の影響などがあります。

体の内部からの要因では、ストレス・食生活・ホルモンバランスの乱れなどがあり、これらのために肌が乾燥状態になります。

肌表面が乾燥すると、さらなる水分蒸発を防ぎ、外部の刺激や細菌の進入から守るため、応急処置的に皮脂が大量に分泌されます。肌に皮脂でバリアを張って保護するのです。

その結果として肌の内側は乾燥してカサカサなのに、肌表面には皮脂が浮いてテカテカしている、という状況になります。

この時点で、洗顔・あぶらとり紙・毛穴パックなどで皮脂や角栓を取り除くと、またあらためてバリアを張ろうとして皮脂が分泌される…という繰り返しになります。

こうしてあぶらっぽいのにカサついているという、複雑な特性の肌になってしまうのです。

肌が乾燥しているのに角栓ができるのはなぜ?

肌では日々、新陳代謝が行われます。
肌の奥の層で新しい細胞が作られており、次々と表面に押し出されてきます。通常であれば、もともとあった古い細胞は、最後は垢となって自然にはがれ落ちます。

しかし何かの事情で新陳代謝がうまくいかないと、角質細胞が完成せず、未熟なまま外に出てきてしまいます。この未熟な角質細胞は、最後までキレイにはがれ落ちることができず、肌表面に残ってしまいます。

毛穴の中でも同じことが起きるのです。

キレイにはがれ落ちなかった角質が毛穴の中に残ると、皮脂とメイク汚れなどと混ざり、そこで詰まり固まってしまいます。これが角栓です。

ここで、誤ったケアである過度の洗顔、あぶらとり紙や毛穴パックの使用などを行ったとします。

すると肌では、本来必要な皮脂を奪われる、摩擦で刺激を受ける、角質がはがされる等が起き、新陳代謝のペースが乱れます。

失ったものをあわてて修復するために、未熟な角質細胞が続々と表面に上がってくるようになります。結果として角質がキレイにはがれないため、毛穴の中にたまって角栓になるのです。

あわせて突然に表面の角質がなくなることで、肌がびっくりして、あわてて皮脂を大量に分泌します。毛穴パックで角栓を取り除くことも肌にとってはショックで、これを充当しようと追加で皮脂を分泌します。

このように誤解したスキンケアにより、肌の乾燥を招き、皮脂の分泌が過剰になり、角栓の原因となるのです。

さらに肌が乾燥していると、角質自体がゴワゴワと硬く大きくなりがちです。その状態で毛穴周囲の角質が入り込み詰まると、大きな容積を占めてふさぐことになります。

そうした角質は、毛穴の中で、より多い量の皮脂を吸収してふくらんでしまいます。乾燥肌の人の角栓は、大きくなって目立ち、悪化しやすいといえます。

角栓が悪化するとニキビの原因になるので、乾燥肌の人でもニキビに悩まされているのはこのためです。

乾燥している肌 クレンジング・洗顔のポイント

乾燥している肌 クレンジング・洗顔のポイント
乾燥した肌のクレンジングや洗顔で大切なのは「必要な皮脂・角質を取り過ぎない」ということです。

皮脂は、肌のバリアになる皮脂膜の材料なので、必ず適度に残すようにしましょう。また洗顔時にゴシゴシ力を入れてこすると、水でふやけて柔らかくなった角質があっという間に削り取られてしまいます。

これでは、肌表面がヒビ割れて傷がついてしまい、バリアが張れなくなってしまいます。またなくなった角質を再生しようとして、未完成の角質細胞が表れてきて、さらなる乾燥や肌荒れの原因になります。

このようなことを防ぐためのポイントを挙げていきます。

1.30~35℃のぬるま湯を使って洗顔する
暑すぎるお湯は皮脂を奪ってしまいます。また水温が低すぎると、肌に落ちるべき汚れが残ったままだったり、洗顔料の成分の効果が出なかったりします。

2.洗浄力が強い洗顔料・クレンジングは使わない
普段の洗顔には、肌に優しく不必要な添加物を含まないものを選びましょう。固形石けんなどはとくにおすすめです。

クレンジング料は、拭き取りシートやオイルタイプではなく、クリームやミルクタイプのものを使いましょう。

しかししっかりとしたメイクやポイントメイクの際には、それなりの洗浄力があるクレンジング料や、専用のリムーバーなどを使い、決してメイク汚れを残さないようにしてください。

3.強い力を入れて肌をこすらない
洗顔料はしっかり泡立て、泡を載せて洗うようなイメージで洗顔しましょう。
クレンジングでは、やさしくマッサージするように、指をくるくると動かしてメイクとなじませるようにします。

すすぎは、両手のひらですくった水で顔を流すようにします。髪の生え際、りんかく線なども泡が残らないようにきちんと洗い流します。

洗顔後に顔を拭く時は、タオルを顔に当てて水分を吸い取るようにして、こすらないように気をつけてください。

乾燥している肌 保湿のポイント

保湿では、肌に美容成分を補充することと、クリーム等でバリアを張って、肌から水分や栄養分が逃げないようにするのが目的です。こうした毎日の心掛けで、肌の乾燥状態が改善できるのです。

続けていくことによって、改善されてくる自分の肌の状態を観察したり、化粧品に配合された美容成分に興味を持ったりと前向きに取り組みましょう。

1.洗顔後は時間を空けず、すぐに保湿する
洗顔後の無防備な肌のままでいると、どんどん乾燥がすすんでしまいます。時間を空けずに、スキンケアをしてください。

2.角質層を保湿する美容成分が配合された化粧水で、最初にケアする
できればセラミドやNMFといった、人の体の角質層にあるものと同じ成分が入った化粧水で保湿します。

「塗る」のではなく、肌に染みこませるようにイメージします。コットンに染みこませて使ってパックするのもよいでしょう。

3.次に肌のハリを出す成分が含まれた美容液などを使う
ヒアルロン酸・コラーゲン・アミノ酸・プラセンタエキスなどの入った美容液や乳液を使います。肌の中で水分を抱えるので、肌にハリが生まれます。

4.仕上げに油分のあるもので、肌にふたをする
乳液やクリームなど油分を含んだもので、美容成分がしっかり入った肌から水分が蒸発しないように、しっかりふたをします。

日常生活での乾燥対策

洗顔や保湿などのスキンケア以外でも、毎日の生活の中で、肌の乾燥を防ぐためにできることがあります。

1.一年中、紫外線対策を行う
紫外線は日焼けをさせることはもちろん、肌の細胞にダメージを与え壊してしまいます。ぼろぼろになった肌は乾燥状態になってしまいます。

曇りの日や冬であっても、紫外線は降りそそいでいます。家の中でも、窓際は紫外線が入ってきているのです。日焼け止めを塗るなどなどして、一年中、紫外線対策を怠らないようにしましょう。

2.心身ともに健康に
睡眠をしっかりとり、体を十分に休ませましょう。
一方で運動不足ではありませんか?適度な運動も必要です。

心の面ではどうでしょう?
趣味を持ち、たまには気分転換をするなどして、心身ともにストレスをためておかないことが大切です。

さまざまな疲労が蓄積すると、肌の新陳代謝がうまくいかなくなります。よい細胞が生産されないため肌が修復できず、皮脂の分泌が過剰になるなど、肌トラブルに見舞われます。

バランスよい食生活を送ることも、肌のためには大切です。心も体も、健康的な生活を送るようにしてください。

(まとめ)肌の乾燥は角栓の原因になります

(まとめ)肌の乾燥は角栓の原因になります

1.肌が乾燥することで、過剰に皮脂が分泌される
2.乾燥肌だからこそ角栓に悩まされる
3.誤ったケアがさらに乾燥と皮脂の過剰分泌を招き、角栓につながる
4.乾燥を防ぐスキンケアをする

自分の肌があぶらっぽくて角栓があるといっても、実は乾燥肌かもしれません。間違ったケアで、より状況を悪くしている可能性もあります。

乾燥を防ぐための、正しいスキンケアを行っていきましょう。続けていくことで、乾燥と過剰な皮脂が解消されます。

肌の調子もよくなって、角栓も目立たなくなっていくでしょう。

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