美容や健康に欠かせない「ビタミンC」の効果的な摂り方は?

ビタミンCをとろう

美容や健康に欠かせない成分として知られるビタミンC。私たちが生きていく上で欠かせない栄養素の一つです。
ビタミンCといえば美白に効くというイメージがあるかもしれませんが、それ以外にもさまざまな効果があります。

ここでは、意外と知らないビタミンCの効果や、1日の摂取量の目安、効果的な摂取方法などをご紹介します。

知っておきたいビタミンCの基礎知識

ビタミンCとは

そもそもビタミンCとは

ビタミンCは、水に溶ける水溶性のビタミンで、アスコルビン酸の名前でも知られています。1753年にイギリス海軍医師リンドによって、当時船員たちの間で流行していた壊血病を予防する薬として発見されました。

私たちの身体は水分と脂質を除くと、ほとんどがタンパク質でできています。このうち約30%を占めるのがコラーゲンで、特に皮膚や骨、血管などに多く含まれています。このコラーゲンを作るために欠かせないのがビタミンCです。

ビタミンCが欠乏した状態が続くと、コラーゲンを合成することができなくなり、血管や皮膚のハリが失われ、あらゆるところから出血しやすくなります。これが壊血病です。

最近では、活性酸素の働きを抑制する抗酸化ビタミンの一つとしても注目され、風邪やがん、動脈硬化などの予防に役立つのではないかと期待されています。

ビタミンCが必要な理由

犬や牛など多くの哺乳類は体内でビタミンCを合成できますが、私たち人間にはビタミンCを合成する酵素がなく、体内で作れないため、食事から摂取しなくてはなりません。

ビタミンC自体は酸化しやすい性質があり、食品に含まれるビタミンCの多くは保存や調理、加工の過程で失われるといわれています。効率的にビタミンCを摂取するには、食材を新鮮な生の状態で食べるのがいいでしょう。

ビタミンCの吸収について

ビタミンCは胃などで消化されず、主に小腸で消化されたあと、血液にのって各臓器に運ばれて貯蔵され、必要な時に使われます。

ビタミンCは一度に一定量以上摂取すると、吸収されずに尿と一緒に体外へ排出されます。1日あたり180mgの適度な摂取量では80~90%が吸収されますが、1,000mgを超えると吸収率は21%まで下がります。

吸収されなかったビタミンCは大腸で善玉菌を増やしたり、便をやわらかくしたりするのに役立ちます。

ビタミンCの主な効果

ビタミンCで美肌効果

美肌効果

ビタミンCは、肌にハリと弾力をもたらすコラーゲンの合成に必要な成分です。このため、健やかでみずみずしい肌を保つためにはビタミンCが欠かせません。

また、ターンオーバーのサイクルを正常化し、肌の生まれ変わりをスムーズにして、くすみのない明るい肌へと導く働きもあります。

さらに、シミの元となるメラニン色素の合成を抑えるほか、酸化して黒くなったメラニン色素を無色に還元する作用があり、シミ、そばかすを防ぐ効果が期待できます。

エイジングケア

私たちは呼吸する時に大量の酸素を吸い込んでいますが、この過程で酸素の一部が活性酸素に変化します。体内で発生した活性酸素は私たちの細胞や組織をサビつかせ、老化や疲労蓄積をもたらすと考えられています。

ビタミンCには高い抗酸化作用により活性酸素を除去する働きがあり、疲労回復やエイジングケアに役立ちます。

免疫力アップ

免疫とは、細菌やウイルスなどに異物から私たちの身体を守るシステムのことです。私たちの身体には生まれつき免疫力が備わっていますが、何らかの原因でその力が弱まると、病原体などを排除できなくなり、感染症にかかりやすくなったり、症状が重症化したりします。

高い抗酸化作用のあるビタミンCは、免疫を司る白血球の活性化に大きな役割を果たします。こうした働きから、免疫力や抗がん作用を向上させる効果が期待されています。

ストレスに強い身体を作る

私たちの身体は心身にストレスがかかると、アドレナリンという抗ストレスホルモンを放出し、脈拍を速めたり、血圧を上昇させたりしてストレスに対抗しようとします。

アドレナリンの合成にもビタミンCが不可欠です。ストレスが続くと、ビタミンCが大量に消費されます。ストレス社会に生きる現代人にとって、なくてはならない栄養素といえるでしょう。

動脈硬化予防

動脈硬化とは、血管が硬くなってしなやかさが失われた状態です。血栓が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気を引き起こします。

この動脈硬化の原因の一つとされているのが悪玉コレステロールです。悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化すると、動脈硬化が進行するといわれています。ビタミンCはその強力な抗酸化力により、悪玉コレステロールの酸化を防ぐ効果が期待されています。

貧血予防

貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが減少した状態を指します。貧血のほとんどを占めるのが鉄欠乏性貧血です。貧血を改善するには不足している鉄分を補う必要があります。

鉄分はそのままの形では吸収されにくい性質がありますが、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まります。鉄分とビタミンCを一緒に摂ることで、貧血予防の効果を期待できるでしょう。

ビタミンCの1日の摂取量の目安

ビタミンCはどれくらい必要か

普段の生活での平均摂取量

厚生労働省がまとめた「平成30年『国民健康・栄養調査』の結果」によると、成人(20歳以上)の1日の平均摂取量は102mgでした。

世代別では、20代と30代が73mg、40代が72mg、50代89mg 、60代が119mg、70歳以上が132mgという結果でした。この状況を見ると、若い世代ほどビタミンCが不足しているようです。

ビタミンCの摂取量は野菜や果物の摂取量に比例していると考えられ、60歳以上の人は年齢が上がるほど野菜や果物の摂取量が多いことがうかがえます。

働き盛りで忙しい世代は、食事をおろそかにしてしまいがち。バランスのとれた食生活を意識して、ビタミンCをしっかり取り入れたいものです。

理想的な1日の摂取量の目安

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、ビタミンCの摂取量は15歳以上で1日に100mgが推奨されています。男女とも共通です。また、余分に摂取しても体外に排出されるため、摂取量の上限は設けられていません。

ただし、過剰摂取によってまれに下痢や吐き気、胃けいれんなどが生じるケースがあるので、成人の場合、1日あたり2000mgを上限とするのが望ましいでしょう。

妊婦の場合は、新生児の壊血病を防ぐ目的で摂取基準の100mgにプラス10mg追加することが推奨されています。また、授乳中の女性は母乳でビタミンCが失われることから、プラス45mgが付加量とされています。

効果的なビタミンCの摂取方法

ビタミンCのとり方

肌に塗って取り入れる

ビタミンCをダイレクトに肌に届けるには、化粧品として直接肌に塗るのが有用といわれています。ビタミンCを肌に塗布することで、皮膚の凸凹をなめらかにする、外部からの刺激から肌を守る、ハリと弾力のある肌へと導くといった効果が期待できます。

ただし、ビタミンCは原液をそのまま塗っても酸化しやすいため、科学的に安定させたビタミンC誘導体を配合した美容液の形で取り入れるのが主流となっています。

ビタミンC美容液の使い方

化粧水の後のタイミングに、適量を手に取って顔全体になじませます。目元や頬、口元などの気になる部分に重ね付けするのもおすすめです。2分ほど時間を置いて肌になじませたら、乳液やクリームで肌を整えます。

ビタミンCを多く含む食材

ビタミンCは果物で
ビタミンCは野菜や果物、芋類などに多く含まれています。新鮮な旬の野菜や果物をたっぷりとることが大切です。3食バランスの良い食事を心がけていれば、あまり不足することはないでしょう。

ビタミンCは水に溶けやすく、熱や光にも弱いため、手早く調理することが大切です。加熱する場合は、汁ごと食べられるスープや鍋物などがいいですね。

じゃがいも、さつまいもに含まれるビタミンCは、でんぷんに保護されているため、加熱しても損失が少ないといわれています。

手軽に摂るならサプリメントもおすすめ

ビタミンCは毎日の食事でしっかり摂るのが理想ですが、現代の食生活ではどうしても栄養バランスが偏りがちです。毎日の食事から十分な量を摂取できない場合、サプリメントで補うことをおすすめします。

ビタミンCのサプリメントにはさまざまな種類があります。その中から長く飲み続けられるものを選びましょう。

まとめ

ビタミンCはさまざまな美容・健康効果が期待できる成分です。しかし、私たちは体内で作ることができないので、身体の外側から補う必要があります。

外から塗るビタミンCと食べて摂るビタミンCのダブルのケアで、健康的な美しさをめざしましょう。

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