毛穴開きの原因は男性ホルモンが多いからって本当?

毛穴開きの原因は、男性ホルモンが多いからって本当?

ストレスや加齢でホルモンバランスが崩れてくると肌にも影響が表れます

ストレスや加齢でホルモンバランスが崩れてくると肌にも影響が表れます
「10代から20代のはじめの若い頃に悩んでいたニキビや皮脂のテカリ。いったん治まっていたのに、また目立ち始めてしまった…」
「最近忙しくて、疲れが取れない。顔色が冴えないのに、肌は皮脂であぶらっぽい。口の周りに吹き出物もできて滅入ってしまう…」
こんな風に悩んでいる方はいませんか?

ニキビや皮脂の悩みは、若さ特有のものだと思っていたのに、どうしてまた、大人になってから発生しているのでしょう。

そして以前とは違って、肌はカサついているのに皮脂でテカリ・ニキビは口の周りや顎にできるようになっていないでしょうか?
実はカサつきとテカリの原因は、大人の女性特有のホルモンバランスの崩れによるものなのです。

女性の体の中では常に、数種類の女性ホルモンと、わずかな量の男性ホルモンが作られています。
女性ホルモンのうちエストロゲンは肌のハリを保つのに重要な、コラーゲンやエラスチンの生成を促しています。

これらのホルモンのバランスがよい状態であれば、キレイな肌が維持していけるのですが、一旦、バランスを失うと肌にトラブルが表れてしまうというわけです。

男性ホルモンが強く働くと、毛穴開きなどの肌トラブルが起きるのはどうして?

女性の体の中にも微量の男性ホルモンが存在します。

男性ホルモンの特徴

男性ホルモンは、皮脂の分泌を促進します。皮脂は肌をバリアでおおって保護してくれるのですが、過剰になるとテカリや毛穴開き、ニキビの原因となるのです。
また男性ホルモンのうちアンドロゲンには角質を増やす働きがあります。角質が増えすぎると、肌からはがれずに毛穴を塞ぎ、皮脂がたまります。
結果、毛穴詰まりが起きてニキビを発生させてしまうのです。

女性は生理が始まる年齢になると、男性ホルモンの分泌量が急激に増加します。
10代からの「若い人ニキビ」は額や頬など顔全体・背中にまでとさまざまな部位にできますが、この男性ホルモンに強く反応したために起こるものです。

大人になってからは

  • 顔の側面
  • もみあげ部分
  • 鼻の下
  • 口の周り
  • 顎の周り

などにニキビができていませんか?これは、ホルモンバランスが崩れて男性ホルモンが強く働いたためにできたニキビです。

美肌を作る女性ホルモン

美肌を作る女性ホルモン
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があります。
いずれも卵巣から分泌され、妊娠の準備などに重要な役割があるのです。

エストロゲンの特徴

エストロゲンは、コラーゲンの生成を促します。エストロゲンが十分に働いていると、肌のハリが出て、キメが整うなど女性らしい美しさが引き立つでしょう。

プロゲステロンの特徴

プロゲステロンは、分泌量が多すぎると皮脂が多めになるデメリットがあります。

正常な状態であれは28~35日程度の月経のサイクルで、エストロゲンとプロゲステロンがバランスよく分泌されます。
すると肌の状態もよく、精神的にも安定して過ごすことができるでしょう。

しかしホルモンの分泌をコントロールしているのは脳なので、ストレスや生活環境などにも影響を受け、ホルモンバランスは崩れやすくなっています。

女性は30歳をすぎるとエストロゲンの量が減ってきてしまい、肌のハリ成分の生成量が減り、作られる成分の質が衰えてきてしまいます。
エストロゲンのパワーが及ばず、ハリがなくなってたるんできてしまうのです。

また女性ホルモンの分泌が減ると、男性ホルモンが優位に働くことになります。
すると皮脂が増えてべたつく、毛穴が開く、ニキビができるなどのトラブルに見舞われることになります。

通常は思春期のころに男性ホルモンの分泌量が多く、20歳くらいでは男性ホルモンのレベルが下がり、毛穴が閉じてキレイな肌になるでしょう。
しかしなにかの理由で男性ホルモンが多いままだと、毛穴トラブルに見舞われることになります。

ホルモンバランスが崩れるタイミング

女性の月経のサイクルで、生理と生理の間には排卵日があります。排卵日から生理までの期間はプロゲステロンが増加するのです。

プロゲステロンは皮脂を増やすため、この頃はニキビや吹き出物ができやすくなります。
またバリア機能が弱まっているので、肌荒れや化粧品かぶれも起こしやすくなります。

このような兆候が見られたら、悪化させないように早めのケアを行い、原因となる化粧品を使うのをやめるようにしましょう。

またこの時期は肌が刺激に弱くなっているので、スクラブやピーリング効果があるものや、今まで使ったことのない化粧品の使用は避けましょう。

一方、生理が終了してから排卵日までは肌のバリア機能が高まっていて丈夫になっています。この良い状態を保って、お肌は美しくありたいですよね。
では、ホルモンバランスが崩れる原因はどのようなところにあるのでしょうか?

1.年齢によるバランスの乱れ

ホルモンバランスは10代はじめの思春期の頃と、閉経前後の更年期の時期に不安定になりやすいものです。
思春期の頃は、まだ体の成長が不十分でホルモンの影響を受けやすく、分泌量も安定していません。

閉経の前後の頃は、女性ホルモンの分泌量が減ります。
エストロゲンには、自律神経を安定させる作用があるので、その点でも心身が不安定な状態になってしまうことがあります。

またエストロゲンにはカルシウムの吸収を助け、丈夫な骨を保つ働きがありますが、分泌が減ってくると骨粗しょう症などの心配も起きるでしょう。

2.睡眠不足や疲労の蓄積

睡眠不足や疲労の蓄積
ホルモンの分泌に関しては、脳の視床下部で量やタイミングのコントロールをしています。

体が疲れているために脳がストレスを受けていると、ホルモンを適切に分泌することができません。
しっかり眠って休息できていますか?

また仕事や家事で忙しい毎日、「いつも何かをしている状態で、ゆっくり座っている時間がない」なんてことはありませんか?
こういったことで疲労がたまっていると、脳もうまく働くことができず、適切な命令が出せなくなってしまいます。

眠りに入る時間がいつも違ったり、昼夜が逆転の生活をしたりしていると体内時計がくるってしまい、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
ホルモンは眠っている間に分泌されるので、十分な睡眠時間を確保することは大切です。

できれば8時間を取りたいのですが、それが難しければ、眠り始めの3時間の睡眠の質を上げましょう。
最初の3時間はとくにホルモンが分泌される時間帯です。

また寝る前にスマートフォンを使っていたりすると、脳が軽い興奮状態になってしまうので、よい睡眠に入れません。
布団に入ったらスマートフォンはなるべく使わない方がいいでしょう。

いつもより長く湯船につかるというのもおすすめです。
入浴剤を入れたり音楽を聴いたりしながら、リラックスできるよう工夫してみましょう。

3.ストレスの蓄積

現代の社会では、職場・家庭・親戚や友人との付き合い・地域のコミュニティなどとかかわり、さまざまな役割を担っています。

人が集まれば人間関係に悩むこともあるでしょう。
時間に追われ、責任や緊張に囲まれてしまっているという人もいるのではないでしょうか。

そういったことがストレスにつながることで、ホルモンバランスが乱れてしまいます。

この環境から逃れることはできませんが、ときどき気分転換をしてリフレッシュし、ストレスを解消しましょう。
短時間でもよいので、何か好きなことに集中できる自分の時間があるといいですね。

通勤や家事以外でまったく体を動かしていない、という人は適度な運動が必要です。
スポーツクラブに通わなくても、ウォーキングをしたり、1駅分あるいてみるなどでもOKですので、できることから始めてみましょう。

いつもと違うことをするのも、ストレス解消には意外と効果があります。
考え方や見方を変えてみるなどで、偶然の出会いやヒラメキがあって、気持ちが切り替わるかもしれません。

4.食生活のかたより

4.食生活のかたより
食事はインスタント食品・ファストフードやコンビニ食品が多くなっていませんか?

アルコールや多量のカフェインを含んだ飲み物などもホルモンバランスを崩す原因となります。

またこれらの食品は消化するのに、多量のビタミンやミネラルを消費してしまいます。
ですから一度にたくさん摂り過ぎたり、こればかり続けて食べたりするのは美肌のためにもよくありません。

喫煙は卵巣機能を低下させてしまうので厳禁です。早めに卒煙しましょう。

  • 緑黄色野菜
  • イモ類
  • キノコ類
  • 海藻類

など、タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維をバランスよく食べるようにしましょう。

イソフラボン

大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと同じような働きをします。豆腐や納豆を食べると、ホルモンバランスをとるのに有効です。

ビタミンB6

マグロやカツオなどの魚類に含まれるビタミンB6は、エストロゲンの代謝をよくするので積極的に摂るようにしてください。

ホルモンバランスとダイエット

ホルモンバランスとダイエット
食生活がホルモンバランスに影響すると述べましたが、極端なダイエットもまた、ホルモンバランスを乱す原因となります。

食事の量を減らす、「●●しか食べない」といったダイエットにより、体に必要な栄養が足りなくなります。
栄養バランスが悪い状態が続くとホルモン自体が作られなくなるのです。

またダイエットで減量できたといっても、自己流で急に体重を減らした場合、脳は「この体は飢餓状態で生命が危ない」と感じます。

すると生命を守る本能が働き、出血を伴う生理を止めてしまいます。
したがってホルモンバランスも乱れるのです。
れが長期間続くと、無月経となってしまいます。

女性ホルモンのエストロゲンは、カルシウムの吸収を助けて、骨を強化する役割があります。
無月経が続きエストロゲンが分泌されなくなると、骨密度が低下し骨粗しょう症の原因となるのです。

極端なダイエットはホルモンバランスを乱し、その結果として肌荒れを招くばかりでなく、骨を弱くしてしまうのです。

まとめ

1.女性の体にも微量の男性ホルモンがある
2.ホルモンバランスが崩れると、肌トラブルが起きる
3.女性の体に男性ホルモンが強く働くと、肌のテカリや毛穴開き、ニキビなどの肌トラブルを招く
4.さまざまな原因でホルモンバランスが崩れてしまう
5.ホルモンバランスを整え、生活を心掛ける

以上、女性のホルモンバランスと、肌への影響について述べてきました。
良質な睡眠・十分な休息・気分転換とリラックス・食生活の改善などを心掛け、ホルモンバランスを整えて過ごしましょう。

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