コーヒーを飲むと乾燥肌になるって本当?

コーヒーに含まれるカフェインが乾燥肌の原因になることがあります

家事や仕事の合間に、ちょっと一息ついて丁寧にいれたコーヒーを飲むだけでリフレッシュができますね。その後の作業もはかどるような感じがします。

毎日のリラックスタイムにコーヒーが欠かせない人もいるでしょう。コーヒーは美容やアンチエイジングによい、新陳代謝が高まるなどと、美肌づくりのドリンクとして以前から注目を集めています。

でも、飲み過ぎると肌の乾燥の原因になるのはご存知でしょうか?コーヒーを飲み過ぎると、トイレが近くなります。

それはコーヒーに含まれているカフェインの利尿作用が原因です。適度な利尿作用であれば、体内の水分を排出することで顔のむくみの解消になります。

しかし、それ以上に利尿作用が強くなると体内の水分量が少なくなってしまいます。飲んだ水分以上に体内の水分が排出されてしまうと、体は水分不足状態になって、お肌は乾燥してしまうのです。

カフェインが完全に体から排出されるには、8時間〜14時間ほどの時間が必要とされています。ですから、1日に何杯もコーヒーを飲む人は、長時間カフェインによる利尿作用で体内の水分が排出され続けることになります。

今回はコーヒーによる乾燥肌の原因、予防と改善策を紹介しましょう。

コーヒーが原因で乾燥肌にならないための対策

コーヒーが原因で乾燥肌にならないための対策
人の体は半分以上が水分で構成されています。成人の場合は体重の65%が水分といわており、その内の15%が皮膚にあるそうです。

皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層から構成されています。一番表面の表皮はさらに「角質層」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層」の4層に分かれています。

一番外側の角質層は、外部からの刺激を直接受ける部分であり、私たちの目で直接確認できる部分でもあるため、お肌の美しさはこの角質層の状態で決まるともいわれています。

角質層には天然保湿因子(NMF)、細胞間脂質があり水分を保持しています。さらに皮膚の表面では、汗と皮脂が混ざり合った皮脂膜がお肌の水分が蒸発しないように働いているのです。

肌の美しさは、角質層に十分な水分量をキープすることが大きな要素になるといえます。

カフェインにも種類がある

カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶や緑茶などにも含まれています。同じカフェインでもそれぞれの体内の水分量への影響が多少異なることが、東洋医学では説明されています。

それぞれのカフェインの体内への水分量の違いを見てみましょう。

  • コーヒーは「利水」
  • 紅茶は「利水」と「止渇(しかつ)」
  • 緑茶は「止渇」と」「生津(しょうしん)」

紅茶と緑茶にある「止渇」は、のどの渇きを解消させること。
緑茶にある「生津」は、潤いを生むという意味があり、「止渇」と同じような作用があるそうです。

コーヒーに含まれるカフェインには、この「止渇」と「生津)」の作用がありません。ということは、利水によって体内の水分を減らしますが、潤いを生む作用がないということになります。

このことからも、コーヒーは紅茶や緑茶に比べても、同じカフェイン飲料とはいえお肌を乾燥させる作用が高いということが分かります。

コーヒーのカフェインには要注意

コーヒーのカフェインには要注意
コーヒーのカフェインは、身体を冷やす働きがあることも分かっています。身体が冷えると、新陳代謝が低下してお肌の乾燥だけでなく、くすみや毛穴の詰まり開きなどさまざまな肌トラブルを引き起こす原因になります。

さらに乾燥肌は、お手入れをせずそのまま放置しておくと、シミやシワ、たるみ、ほうれい線などお肌の老化の原因にもつながり兼ねません。

またコーヒーのカフェインは過剰に摂取すると、胃の内部が荒れてしまい、内臓にも負担をかけます。胃が荒れてしまうと、消化機能が十分に働かず、食べたものが消化できないまま腸内に送り込まれることになります。

そうなると腸内では、栄養分の吸収がうまく行われなくなり、また腸にダメージを与えてしまうことにもなります。

さらに胃と腸が正常に機能しないため、老廃物が体内にどんどんたまっていくと下痢として症状があらわれます。体内にためておけないビタミンやミネラルなどの栄養分は吸収されず、体外へ排出されてしまうのです。

ビタミンやミネラルが十分に行き届かないお肌はもちろん乾燥やニキビなどの肌荒れを起こしてしまいます。髪の毛が抜けやすい、爪が割れやすいなどの症状もビタミン・ミネラル不足が原因です。

コーヒーのカフェインにはたくさんのメリットもある

コーヒーのカフェインにはたくさんのメリットもある
コーヒーは飲み過ぎるとお肌にも体にも良くありませんが、適度な量であればさまざまなメリットがあります。

コーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用が広く知られていますが、自律神経の働き、集中力や運動能力を高める作用があるといわれています。

また交感神経を刺激する作用もあることから、コーヒーを飲むと体脂肪の燃焼が促進されることも分かっています。

カフェインのおもな作用を見てみましょう。

  • 利尿作用がある
  • 覚醒作用がある
  • 血管を拡張する作用がある
  • 交感神経を刺激する
  • 基礎代謝を上げる
  • 胃酸の分泌を促進する

コーヒーにはポリフェノールという成分が含まれています。ポリフェノールは植物から作られる抗酸化物質で、老化の原因になる身体の活性酸素による酸化を防ぐ働きがあります。

ポリフェノールのおもな作用を見てみましょう。

  • 抗酸化作用がある
  • ガンになりにくい
  • 抗菌性や抗ウイルス性がある
  • 脂肪代謝調節作用があり、肥満になりにくい
  • 口臭を抑える
  • 疲れにくくなる

コーヒーの上手な飲み方

健康な成人が飲むコーヒーの量は、1日3〜5杯(1杯150ml)が安心して飲める適量といわれています。しかし体重によっても適量は変わります。アルコールと同じようにカフェインに強い人、弱い人もいるそうです。

コーヒーを飲むと寝つきが悪いなどカフェインの作用を強く感じる人は、1日のコーヒー摂取量を控えた方がよいでしょう。それぞれ個人の適量を美味しく飲むことが大切です。

コーヒーのカフェインを過剰摂取すると、体内でビタミンとミネラルが不足しやすく、乾燥肌をつくる原因になります。それを防ぐために、日頃の食生活の中で、ビタミンとミネラルをしっかりと摂ることを心掛けましょう。

美肌をつくるビタミンとミネラルの作用と、豊富に含まれる食品をそれぞれ説明します。

ビタミンB群

ビタミンB群
ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンがビタミンB群です。ビタミンB群の中でもビタミンB2とビタミンB6は健康な皮膚を維持する作用があり、ナイアシンはそれらの働きを助けて肌荒れを予防します。

ビタミンB群は、豚肉、レバー、卵、大豆、納豆、アボカドなどに豊富に含まれています。水溶性のため体内にためておくことができません。毎食ごとにしっかり摂取したいビタミンです。

ビタミンC

タバコ、紫外線やストレスなど、お肌の老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
またお肌のハリや潤いを助けるコラーゲンの合成にも深く関与するビタミンです。

ビタミンCは水溶性のため体内にためておくことができません。また消費する量もとても多いため、毎日積極的に摂取しましょう。

パプリカ、カブ、大根の葉、コマツナ、ブロッコリー、イチゴ、キウイフルーツなどに豊富に含まれています。

ビタミンE

ビタミンCと同じく、老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があります。ビタミンEとビタミンCを同時に摂取することで、互いに力を発揮するとされています。

またビタミンEは、血行がよくする作用があります。栄養が体のすみずみまで行き渡るようになれば、お肌にも潤いが戻ります。

大豆、大豆製品、カボチャなどに豊富に含まれています。

セレン

セレン
ミネラルの一種です。たくさんあるミネラルの中でもセレンは、ビタミンEと同じ働きをする抗酸化ミネラルとして知られています。シミやシワなどお肌の老化を予防する美肌には大切なミネラルです。

イワシ、ワカサギ、カキ、タラ、ホタテ貝などに豊富に含まれています。

コーヒーを飲む時は、ブラック派ですか?それとも砂糖やクリームを入れる派ですか?
コーヒーの飲み方も美肌づくりには注意が必要です。

砂糖やクリームをたっぷり入れた甘いコーヒーは、糖分や脂肪分も同時に摂取していることになります。甘いコーヒーの飲み過ぎは脂肪や糖分の取り過ぎとなり肥満や肌荒れの原因になります。

どうしてもブラックコーヒーは苦手という人は、砂糖の代わりにオリゴ糖を、クリームの代わりに牛乳を入れるのがオススメです。

乾燥肌は保湿ケアで改善

乾燥肌は保湿ケアで改善
コーヒーの飲み過ぎで、乾燥肌になってしまった場合は、コーヒーを控える、食事の内容を心掛けるのはもちろんですが、すぐに乾燥肌を改善するためにも保湿ケアで念入りにお手入するのがよいでしょう。

毎日の洗顔の後は、すぐに化粧水、美容液、乳液、クリームの順にお肌につけてお手入れします。その際、乾燥肌に作用する保湿成分や美容液が配合された化粧品を使うのがオススメです。

お肌の乾燥は、角質層内のバランスが崩れた状態です。そのため角質層内の水分を維持する働きを持つセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどが入った化粧品を選びましょう。

これら成分はもともと、皮膚の角質層内に存在するもので、加齢とともに減少していきます。日ごろから積極的に補うことで乾燥肌はもとよりシワ、シミ、たるみなどのお肌の加齢の予防にもなります。

お手入れのコツは、化粧水や美容液は適量を手にとり、体温で温めてからお肌に載せると浸透しやすくなります。

化粧水はパチパチと勢いよくパッティングするよりも、手のひらで顔をおおうようにしてつけると浸透力がアップします。

美容液をつけた後は、乳液とクリームでお肌にフタをして水分の蒸発を防ぎましょう。

(まとめ)上手なコーヒーブレイクで心も体もリフレッシュ

1.カフェインにも種類がある
2.コーヒーのカフェインは摂り過ぎに要注意
3.コーヒーのカフェインにはたくさんのメリットもある
4.コーヒーの上手な飲み方

コーヒーの飲み過ぎは、乾燥肌を招きます。その原因は、コーヒーに含まれるカフェインの利尿作用でお肌が水分不足になるからです。
しかしカフェインにも覚醒や抗酸化作用などメリットがたくさんあります。

1日に飲む量を考えながら、上手なコーヒーブレイクをとることで、お肌にもよい作用が期待できます。

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