乾燥肌は遺伝するの?

乾燥肌は遺伝するの?

乾燥肌は遺伝の要素もありますが、ケアを続けて改善を目指しましょう

乾燥肌は遺伝の要素もありますが、ケアを続けて改善を目指しましょう
どんなに手をつくしても、なかなかよくならない乾燥肌。原因はスキンケア不足?それとも遺伝?と悩んでいる人も多いでしょう。

間違ったスキンケアや、保湿ケア不足によって乾燥肌になることもありますが、遺伝による体質でセラミドが少ない人もいるのです。遺伝的に、セラミドが少ないとはどういったことでしょう。

皮膚の一番表面にある角質層は、いくつもの角質細胞が重なっており、その角質細胞同士のすき間をうめているのが細胞間脂質です。細胞間脂質はセラミド、脂肪酸やコレステロールでおもに構成されており、その半分を占めるのがセラミドです。

セラミドは、お肌の水分を保持して潤いや柔軟性を維持する大きな役割を持っています。セラミドはお肌がもともと持っている保湿成分です。

しかし何らかの理由で減少すれば、お肌は乾燥や肌荒れなどさまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。遺伝的に、セラミドが少なく生まれてくる人が、乾燥肌になってしまうのはやむを得ないことかもしれません。

しかしセラミドがこれ以上減少しないようスキンケアを施すことで乾燥肌は徐々に改善されていくでしょう。

遺伝の乾燥肌はセラミドを積極的に補うケアを

潤ったお肌の維持に不可欠なセラミドは、遺伝的に少ないケースもあります。しかし加齢によって減少していく特性があり、30歳を超えるとセラミドはどんどん減っていくそうです。

遺伝的にセラミドが少ない人も、30代を過ぎてひどい乾燥肌で悩んでいる人も、毎日の正しいスキンケアでセラミドの減少をできるだけくい止め、補っていくことが必要です。セラミドが減少する原因の一つは、間違った方法のクレンジングや洗顔にあります。

その結果、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーが乱れてしまい乾燥肌を招くのです。健康な皮膚では約28日周期でターンオーバーが繰り返されています。

周期が遅れたり早まったりすると、角質層内のセラミドの量も質も低くなり、アミノ酸含有量も少ないといわれています。角質層が不健康な状態では、洗顔後に化粧水や美容液をつけても皮膚の奥まで浸透されず、保湿ケアが意味の無いものになってしまいます。

遺伝の乾燥肌を改善するクレンジング剤と洗顔料

遺伝の乾燥肌を改善するクレンジング剤と洗顔料
お肌の水分をキープするセラミドを守るためには、毎日の正しいスキンケアが不可欠です。間違った方法でクレンジングと洗顔をし続けていると、セラミドはどんどん流出してしまいます。

セラミドを守るためにまずやるべきことは、毎日使うクレンジング剤と洗顔料の見直しです。クレンジングはスキンケアの中で最もお肌に負担をかける工程ともいわれています。

その理由は、クレンジング剤のほぼ全てに配合されている合成界面活性剤によるものです。メイク用品や日焼け止めには油分が配合されていますが、お肌に付着した油分を除去するのが合成界面活性剤です。

合成界面活性剤は水と油を混ぜあわせる乳化剤として、油汚れを落とす洗浄剤として広く使われています。合成界面活性剤がたくさん配合されているクレンジング剤は、素早くメイクが落ちて使い心地も快適です。

しかし洗浄力が強い分、お肌への刺激は強く、角質層内のセラミドも洗い流されやすいといわれています。また洗浄力の強い合成界面活性剤は、外部の刺激からお肌を守る角質層のバリア機能をも壊してしまう可能性もあります。

弱り切ったお肌にさらに刺激を与えてしまっては肌トラブルが悪化するばかりです。遺伝的な乾燥肌はもちろん、加齢によってセラミドが減少しているお肌にも、洗浄力の強いクレンジング剤の毎日使いはオススメできません。

できるだけ合成界面活性剤が少ないクレンジング剤を選びましょう。クレンジング剤にはさまざまなタイプがあります。

その中でもクリームタイプは合成界面活性剤の配合量が少なく、潤いを守りながらメイクをオフします。乾燥肌でも安心して毎日使うことができます。

乾燥肌に不向きなクレンジング剤は、オイルタイプと拭き取るシートタイプです。オイルタイプは合成界面活性剤の配合量がとても多く、毎日使っていればセラミドは減少し続け乾燥肌は悪化するでしょう。

シートタイプはメイクを拭き取る際の摩擦によってお肌を傷つけてしまう恐れがあります。オイルタイプもシートタイプも手軽で素早くメイクをオフできる人気のクレンジング剤ですが、お肌には優しくありません。

疲れている日や濃いメイクの日など特別な日だけに使用しましょう。洗顔料を選ぶ際も同様に、合成界面活性剤が入っていないものが乾燥肌には適しています。

洗顔の目的は、毎日分泌される皮脂や空気中の細菌やホコリを落とすことです。合成界面活性剤のような強い洗浄力がなくても、その程度の汚れはすっきり落とし切ることができます。

洗顔料もさまざまなタイプがあります。多くの愛用者がいる洗顔フォームは、泡立ちも良く清潔に保管できるため人気です。

しかし洗顔フォームのおもな成分は石油で、合成界面活性剤が配合されています。乾燥肌の毎日使いには天然素材の固形の石けんがオススメです。

刺激を与えず弱ったお肌を優しく洗い上げます。防腐剤、合成着色料、香料、アルコールなど余計なものが入っていないシンプルな洗顔料を選びましょう。

遺伝の乾燥肌を改善するクレンジングと洗顔方法

遺伝の乾燥肌を改善するクレンジングと洗顔方法
遺伝の乾燥肌は、お肌の潤いを維持するセラミドが少ないといわれています。このセラミドは角質層内に存在します。

角質層はお肌の最も表面にある部分で、わずか0.02~0.03mm程度の厚さです。薄い角質層をゴシゴシこすり洗いをする、洗顔を何度も繰り返す等で、摩擦によって角質層がはがれてしまいます。

強い力でこすり洗いを何度もして角質層がはがれてしまったその結果、セラミドが流れ出しバリア機能が低下します。水分を保持する力も弱まり乾燥肌を招いてしまうのです。

乾燥肌を改善するためには、お肌の水分を保持するセラミドを流出させない正しいクレンジングと洗顔方法を身につけることが大切です。

クリームクレンジングを使用した正しいクレンジング方法の手順です。
1.薬用石けんなどを使って手を清潔にします。

2.乾いた手にクレンジング剤を取り、皮脂量の多いTゾーンから載せます。指の腹を使ってクルクルとマッサージしながらメイクとなじませます。

次にフェエイスライン、頬、最後に皮膚の薄い目元、口元にクレンジング剤を載せてメイクとなじませていきます。

3.クルクルとマッサージをしていくと、指がふっと軽くなったらぬるま湯でしっかりと流します。高温のお湯はお肌に必要な皮脂を流してしまい、乾燥肌を悪化させます。

必ずぬるま湯を使いましょう。

次に固形の洗顔石けんを使った正しい洗顔方法の手順です。
1.薬用石けんなどを使って手を清潔にします。雑菌がついた手は泡立ちが悪くなります。

2.洗顔料を泡立てます。固形の洗顔石けんは泡立てが難しいので、泡立て用のネットを使うとよいでしょう。短時間で簡単にキメの細かいたっぷりの泡が作れます。

3.たっぷりの泡を皮脂の多いTゾーンから載せて、お肌の上で泡をクルクルとなでるようにして汚れを落としていきます。次にフェイスライン、最後は皮膚の薄い目元、口元に泡を載せて洗います。

4.ぬるま湯をお肌に優しく当てながらすすぎます。髪の毛の生え際、小鼻などは泡が残りやすいので丁寧に流しましょう。

5.清潔な柔らかいタオルをお肌に押し当てるように水分を拭き取ります。タオルでゴシゴシこするのはお肌を傷つけてしまいます。

遺伝の乾燥肌を改善する正しい保湿ケア

洗顔後はすぐに保湿ケアを行います。時間を空けると、お肌から水分がどんどん蒸発して乾燥肌を招く原因になります。

保湿ケアの手順は化粧水、美容液、乳液、クリームです。その際、使用する化粧品は遺伝の乾燥肌に少ないといわれるセラミドが配合されたものを選びましょう。

化粧品に配合されているセラミドはさまざまな種類があります。その一部を紹介します。

化粧品を購入する時にパッケージで確認すると良いでしょう。

  • セラミド1…紫外線、摩擦など外部の刺激からお肌を守るバリア機能をサポートします。
  • セラミド2…人のお肌に最も多く含まれているセラミドといわれています。保湿機能をサポートする働きがあります。
  • セラミド3…保湿機能、シワを改善する機能があります。
  • セラミド4、セラミド5…角質層内のバリア機能をつくります。
  • セラミド6…水分を保持する機能、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーの促進、シワを改善する機能を持っています。

などがあります。乾燥肌にはセラミド1、3、6が配合された化粧品が特にオススメです。

保湿ケアにオススメの成分

保湿ケアにオススメの成分
乾燥肌の保湿ケアには、セラミドの他にも、コラーゲンやヒアルロン酸などの成分もオススメです。どちらもお肌の土台となる真皮層に存在する成分です。

コラーゲンはお肌のハリと弾力性を支える働き、ヒアルロン酸は水分を保持してお肌の乾燥を防ぐ働きをもっています。美肌には欠かせない成分です。

しかしコラーゲンもヒアルロン酸も、セラミド同様に、加齢とともに減少していく成分です。積極的に取り入れていくことで、減少した分を補い乾燥肌にならない健やかなお肌をキープできます。

また乾燥肌はシミ、シワ、たるみ、ほうれい線、くすみなどお肌の老化を早める原因でもあります。常にお肌の潤いを保つことが大切です。

保湿ケアは、化粧水、美容液、乳液、クリームの順につけていきます。夏の暑い時期になると、皮脂や汗でお肌がベタつくからといって乳液やクリームをつけずに化粧水だけで終わらせている人もいます。

保湿ケアはたっぷりの化粧水でお肌に水分を補給し、その水分が逃げないように乳液やクリームでフタをするのです。美容液の成分もお肌へしっかりと浸透させるためにも、保湿ケアは手順を守って行いましょう。

(まとめ)乾燥肌の改善はセラミドを守り、補うケアが大切

1.遺伝の乾燥肌を改善するクレンジング剤と洗顔料
2.遺伝の乾燥肌を改善するクレンジングと洗顔方法
3.遺伝の乾燥肌を改善する正しい保湿ケア

遺伝が原因であっても乾燥肌の改善には、もともと皮膚に存在する保湿成分であるセラミドの流出を防ぐことが大切です。そのためにはセラミドを守る正しいクレンジング、洗顔が不可欠になります。

お肌を清潔にした後は、セラミドを積極的に補う保湿ケアを行いましょう。毎日の丁寧なスキンケアの積み重ねで、乾燥肌は徐々に改善していきます。

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