乾燥肌の水分不足はどう補えばいいの?

乾燥肌の水分不足はどう補えばいいの?

乾燥肌対策は肌の保湿と水分摂取がポイント

30~40代のお肌に関する悩みの中に、「乾燥肌が気になる」という声があります。乾燥肌になると、肌がカサカサと粉を吹いたようになったり、最悪の場合にはかゆみなどの症状を伴ったりすることもあります。

冬になると外気が乾燥することから、肌の水分が必要以上に奪われることで乾燥肌になる人もいますし、ホルモンバランスの乱れやエアコンなどの送風を受けて通年、乾燥肌に悩む人もいるようです。

この乾燥肌はその名の通り、肌のみずみずしさがなくなってしまい、乾いた状態になった肌のことを言います。乾燥肌対策には、肌に水分を補って潤すことがもっとも大切なポイントになります。

即効性の高い方法として考えられるのは、保湿力の高い化粧品で肌の外側から水分を補う方法です。でも、肌の内側の細胞が乾燥している場合には、根本的解決にはなりません。

乾燥肌対策には、肌を外側から保湿するだけでなく、口からも適切に水分を摂取して、体内の水分量そのものを増やすことが重要になってきます。

本気で乾燥肌対策を考えるためにも、乾燥肌を改善するための水分不足の改善方法について、乾燥肌のメカニズムも含めて考えていきましょう。

水分不足で乾燥肌になるメカニズム

水分不足で乾燥肌になるメカニズム
私たちの肌は、いくつかのタイプに分けることができます。

  • 皮脂の分泌が多い脂性肌
  • 肌の水分量が低下してしまう乾燥肌
  • 顔の部分によって脂性肌と乾燥肌が混在している混合肌

です。

3つの肌タイプの中で乾燥肌は、皮脂の分泌量低下や角質の水分量の減少が原因で生じる肌トラブルです。

通常、私たちの皮膚の表面には、適量の皮脂が分泌されています。この皮脂と汗とが混ざりあうことで皮脂膜が作られ、皮膚表面は保湿され守られています。

乾燥肌は脂の分泌量が減少することで、皮脂膜が機能しなくなり、その結果、皮膚表面から水分が失われていきます。

もともと肌の角質層には、肌が自ら水分を保持するための細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)も存在しています。しかし、乾燥肌ではこれら細胞間脂質や天然保湿因子が減少し、肌細胞の保湿力が低下してしまうのです。

このように乾燥肌になってしまうのには、いくつかの原因があります。

何が原因となって乾燥肌になってしまうの?

乾燥肌とは?

皮脂の分泌量が低下することで皮脂膜が機能しなくなり、皮膚の表面から水分が必要以上に蒸発してしまったり、角質内の保湿に関わる細胞が減少したりという状態のことを言います。

冬に、外気が乾燥することで乾燥肌を引き起こすことは納得できます。しかし、夏や梅雨どきのような空気の乾燥する季節でないにもかかわらず、砂漠のようにカラカラに乾燥した肌になってしまうといったことはありませんか?

実は、一言で乾燥肌と言っても、乾燥肌になってしまう原因にはいくつかの要因が考えられます。
乾燥肌を知ることは、乾燥肌対策の第一歩になるのです。

乾燥肌と水分不足の関係性を理解するためにも、乾燥肌の原因についてみてみましょう。

1.乾燥肌になる原因のひとつはホルモンバランスの乱れ

1.乾燥肌になる原因のひとつは、ホルモンバランスの乱れ
乾燥肌になる原因はさまざまです。
たとえば、30代頃から乾燥肌が気になる人が増えてくるのは、ホルモンバランスの乱れによるものです。

出産など女性特有の体に関すること、中年期にさしかかり年齢的な影響、毎月の月経の周期などさまざまな理由でホルモンバランスは変化します。また、ストレスなどもホルモンに大きな影響を与えます。

女性ホルモンを見てみると、エストロゲンとプロゲステロンという2種類があります。エストロゲンは卵巣で生成、分泌しているホルモンで、角質細胞や真皮の線維芽細胞の増殖を促進するなどの働きがあります。

プロゲステロンは、排卵から月経の始まるまでの間にもっとも分泌されるホルモンです。皮脂分泌を促進したり、水分を細胞に閉じ込め細胞の潤いを保ったりする作用があります。

ホルモンバランスが崩れると、これらの作用が適切に働かなくなって、結果的に肌の乾燥を進めてしまうことになります。

2.体内の水分量の低下も乾燥肌の原因に

乾燥肌になる原因として、体内の水分量の低下も見過ごすことはできません。
猛暑の続く夏や運動をしたあとに、私たちはたくさんの汗をかきます。

汗をかいたまま水分を補給しなければ、私たちの体内では水分量が大きく低下することで脱水状態におちいります。また、オフィスや家庭で一年中使用されているエアコンなどの送風も、乾燥肌の原因になります。

エアコンからの送風を受けている肌は、自分では気がつかないうちに肌や体の水分が蒸発しているからです。

体内の水分不足が続くと、徐々に血液の粘度が高まっていきます。血液の粘度が高いということは、血液がドロドロになっているということです。

このようなドロドロ血液は全身の血行不良を引き起こします。全身に健康な血液が行き渡らないと新陳代謝が悪くなり、肌のターンオーバーなどにも悪影響を及ぼします。

肌の表面から汗や自然蒸発によって奪われた水分量を供給できないだけでなく、肌のターンオーバーの周期を乱してしまうため、肌表面の乾燥がますます進んでしまう悪循環に陥ります。

3.そのほかに考えられている乾燥肌の原因

ホルモンバランスの乱れや体内の水分不足は、乾燥肌の原因になります。しかし、乾燥肌の原因はそれだけではありません。
たとえば、毎日の生活の中ではどうでしょうか?

慢性的な睡眠不足、過度なダイエット、ビタミンやミネラルなどが不足している偏った食生活、ファストフードが多い生活などは、肌だけでなく私たちの体にも悪影響を与えます。

また、紫外線や間違ったスキンケアも私たちの肌に大きなダメージを与えます。乾燥肌に限らず、健康な肌を取り戻すためには、日々の生活習慣も一緒に見直していく必要があるでしょう。

乾燥肌を改善するためにはどうしたらいい?

乾燥肌は、さまざまなことが原因で引き起こされます。なんらかの対策を講じて、できる限り乾燥肌にならないようにしたいですね。

乾燥肌の原因の中で、もっとも簡単に対処できるのは、水分不足の解消です。とは言っても、単に水をたくさん飲めばよいというわけではありません。

乾燥肌を改善し、乾燥肌になりにくい体を作るための上手な水分の取り方のポイントを確認しておきましょう。

1.上手な水分の取り方

1.上手な水分の取り方
乾燥肌にならないよう、小まめに水分を補給する上で、注意しておくことがいくつかあります。

そのひとつは、飲む水の温度です。
夏、たくさん汗をかいた後に冷たい水分を補給すると、爽快な気分になりますね。

でも、乾燥肌対策をして考えた場合、あまり冷た過ぎる飲み物は厳禁です。冷た過ぎる物を飲むと、体温が低下します。体温の低下とともに細胞の動きも低下するため、新陳代謝をさらに鈍らせてしまいます。

乾燥肌のためには、できれば温かい白湯のようなものを飲みましょう。白湯が物足りないようなら、体を温める作用がある生姜湯やハーブティー、ビタミンが豊富なフレッシュジュースなどもオススメです。

熱中症予防の水分補給ならスポーツドリンクでもかまいませんが、乾燥肌という視点で水分補給を考えた場合には、温熱効果のある成分や美肌成分の含まれている飲み物を選択しましょう。

2.避けたい飲み物

2.避けたい飲み物
「乾燥肌を改善するために温かい飲み物を選ぼう!」と考え、緑茶やコーヒーを手にした人はいませんか?仕事や家事の合間によく飲まれる緑茶やコーヒーは、実はあまりオススメできない飲み物です。

緑茶はビタミンが多く含まれるので一見すると乾燥肌にも有効であるかのようにも思えますが、緑茶やコーヒーの中にはタンニンという成分が多く含まれています。

このタンニンは、体の中で亜鉛の吸収を阻む働きを持っています。亜鉛は新陳代謝に欠かせないミネラルの一つです。亜鉛の吸収が阻害されては、肌のターンオーバーは改善されにくくなってしまいます。

また、緑茶やコーヒーにはカフェインが多く含まれています。カフェインには利尿作用があり、体の中にある水分を尿として排出させる働きがあります。

水分をとっても利尿作用によって水分が排出されてしまっては、意味がありませんね。同じように、ビールなどに含まれるアルコールにも利尿作用があります。ビールをたくさん飲んでも、水分不足は解消しません。

3.「のどが渇いた!」と思う前に水分補給

水分を補給するタイミングにも注意が必要です。一般的にのどの渇きを感じたときに、人は水分を補給します。でも、実はそのタイミングで水分を摂取するのでは遅いケースがあります。

冬場は喉の渇きを感じにくく、エアコンからの温風で気がつかない間に隠れ脱水になっている可能性があるからです。

熱中症対策の水分補給のタイミングとしてよく言われるように「のどが渇いたと思う前に、水分補給をする」意識を持つとよいでしょう。

お肌の内側の保湿力を高めるにはどうしたらいい?

保湿力の高い化粧品を上手に活用して外側からの水分補給を

保湿力の高い化粧品を上手に活用して、外側からの水分補給を
乾燥肌を改善するために、こまめに水分補給を行って体の中から水分を補うことは重要です。体内の水分が不足すれば、血液がドロドロになって血行不良になり、新陳代謝に大きな悪影響を与えるからです。

ただ、いくら水分補給をしても、肌表面のスキンケアをおろそかにしていては、水分の蒸発を防ぐことはできません。そのため、肌を外側から適度に保湿してあげることも乾燥肌対策には欠かせません。

高い保湿力のある成分である

  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン
  • グリセリン

といったものが配合されている化粧水や、

  • ステアリン酸コレステロール
  • セラミド
  • 水素添加大豆レシチン など

が配合された美容クリームがあります。

このようなスキンケア製品を賢く使って、外側からも肌を保湿しましょう。ただし、スキンケアをする際は、決して肌に負担をかけないでください。

「こすらず」「ぬり込まず」「なで回さず」をしっかり覚えておきたいですね。ゴシゴシと肌をこすって成分をむり込むのではなく、軽く押さえるような気持ちで保湿成分を肌に載せていきましょう。

乾燥肌のためのスキンケアまとめ
クレンジングしながら保湿も叶う?

(まとめ)水分不足の乾燥肌にはこまめな水分補給と保湿を

1.乾燥肌の原因は、ホルモンバランスの崩れや体内の水分不足などがあります
2.温かい飲み物を小まめに飲んで、水分補給を心掛ける
3.保湿力の高い成分を含むスキンケア製品で、肌の外側からも乾燥対策をする

一年を通して肌トラブルの代表選手になっている乾燥肌は、体内の水分不足も原因になります。小まめに温かい飲み物を摂取して、体の中を潤しましょう。

また、保湿力の高い化粧品を使うことで、肌の外側からも保湿することができます。カサついたり、かゆみを伴ったりする乾燥肌とさよならするためにも、積極的に水分補給できるといいですね。

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