毛穴と皮脂は関係あるの?

毛穴と皮脂は関係あるの?

毛穴トラブルは皮脂が原因です

毛穴トラブルは皮脂が原因です
ファンデーションでは隠せない開きっぱなしの毛穴や黒ずんだ毛穴、毛穴に詰まった白い汚れやボツボツとしたお肌の手触り、これら毛穴トラブルのほとんどは毛穴に詰まった皮脂が原因です。

毛穴に詰まった皮脂と古い角質、メイク汚れなどが混ざったものを角栓といいます。この角栓が毛穴をふさぎ、毛穴の中で皮脂を栄養とするアクネ菌が増殖しニキビを悪化させてしまうのです。

顔のテカリやオイリー肌となる皮脂の過剰分泌は、毛穴を大きく開かせる原因ともいわれています。こうしたことからも、毛穴トラブルと皮脂は深く関係していることがわかります。

顔のべたつきやテカリ、毛穴に詰まった皮脂や角栓を解消するために、毎日の念入りなクレンジングや洗顔、毛穴パックやピーリングなどを頻繁に行っている人も多いでしょう。

皮脂を取り除くことが、毛穴トラブルを改善することではありません。逆に間違ったスキンケアや毛穴ケアによって、皮脂の過剰分泌を招き、さらに毛穴トラブルを引き起こしている可能性もあります。

毛穴と皮脂の関係、毛穴と皮脂の仕組みなどを理解することで、これまで行ってきたスキンケアや毛穴ケアとの向き合い方も変わるはずです。

毛穴と皮脂の関係を知って正しいスキンケア

毛穴と皮脂の関係を知って正しいスキンケア
皮脂は皮脂腺という器官から分泌されます。この皮脂腺は毛穴の奥にあり、皮脂腺と毛穴は一緒に存在しています。皮脂腺があるところには必ず毛穴があるということです。

なぜ皮脂腺が毛穴にあるのかというと、毛が生えてくる際に皮脂腺から分泌される皮脂によって毛穴と毛の摩擦を減らし、発毛をスムーズにさせているといわれています。そのため毛穴と皮脂腺は一緒に存在するのです。

毛穴はほぼ全身に分布されていますが、手のひらと足の裏にはありません。毛穴がないのですから、皮脂腺もないということになります。

知れば知るほど毛穴と皮脂は深い関係にあるのが分かってきました。

次からはさらに毛穴と皮脂の関係について学びながら、毛穴トラブルの改善・予防・美肌づくりを目指していきます。

毛穴について知ろう

毛穴の数は身体の部位によって異なり、その数は生まれた時から変わらないといわれています。子供のときからずっと同じ数の毛穴があるのです。

人の身体には約120万個、顔だけでも約20万個の毛穴があるといわれております。

毛穴には種類があり、軟毛性毛包・終毛性包・脂腺性毛包の3つの毛穴があります。それぞれに異なる特徴を持っています。

1.軟毛性毛包にはうぶ毛が生え、顔や頭、局部以外の全身に存在します。

2.終毛性毛包には、ヒゲや髪の毛、わき毛など目立つ毛が生えます。

3.脂腺性毛包は、顔や胸部に多く分布します。皮脂を大量に分泌する大きな皮脂腺をたくさん備えています。ニキビができやすい部分です。

毛穴は毛が生えるのが当然なのですが、皮脂腺のみを備えて毛が生えない毛穴もあります。たとえば顔に存在するほか、背中の中央、胸の部分などにも多くあります。

顔の毛穴の大きさは、冬と夏ではほんのわずか、夏の方が毛穴広がるともいわれています。

冬よりも夏の方が皮脂の分泌量が多いことも、毛穴の大きさの変化に関係している可能性があるようです。

皮脂について知ろう

皮脂が分泌される皮脂腺は毛穴のあるところには必ず存在します。毛穴と同じくほぼ全身に皮脂腺は存在し、手のひらと脚の裏にはありません。

皮脂腺の数は身体の部位によって異なります。頭・顔・胸・背中・腕と脚という順番に皮脂腺は多くなります。顔だけでいうと、Tゾーンといわれる、額・鼻・小鼻周りには皮脂腺が集まっています。

皮脂の分泌量は成人で1日1〜2グラムとほぼ決まっています。そのため皮脂は汗のように出っ放しということはなく、毛穴をキレイに洗浄したからといって皮脂が大量にでることもありません。

皮脂の分泌量は女性よりも男性が多いといわれています。

年代別では10代後半から20代頃までが皮脂の分泌がもっとも活発で、女性は30代ごろから、男性は50代ごろから少しずつ減少していくのが一般的です。

また皮脂の分泌量が多いということは、皮脂腺が大きいということになります。皮脂腺が大きくなるほどに、毛穴も大きく目立つようになります。

皮脂腺の発育は男性ホルモンが影響しています。男性ホルモンの量は遺伝によることが多いとされており、そのため毛穴の大きささも遺伝によって決まっているともいえます。

皮脂はさまざまな毛穴トラブル、お肌のべたつきやテカリ・化粧崩れ・ニキビなどの原因となるお肌にはデメリットしかないイメージが持たれている存在です。

しかし皮脂がなければ、健康なお肌をつくることができないのです。

皮脂の大切な役割を見ていきましょう。

1.皮脂と汗が混ざり合ってお肌に皮脂膜をつくります。この膜が、空気中のほこりや化学物質など外部の刺激から皮膚を保護しています。

2.皮脂と汗が混ざり合った皮脂膜によって皮膚の潤いを保ち、乾燥を防いでいます。

3.皮脂がお肌を滑らかにし、ツヤを出しています。

4.皮脂が皮膚のpHバランスを保ち、雑菌の増殖を防いでいます。

こうした皮脂の大切な役割を知ることで、健康で美しいお肌を維持するためには適度な皮脂が必要不可欠であるということがわかります。

皮脂を落とし過ぎるスキンケアはお肌の健康を維持できないのです。

また皮脂は、洗顔後すぐにはもとに戻らないとされています。季節や個人差もありますが、皮脂がもと通りになるまで、速い人で30分、遅くて2時間もかかるといわれています。

この皮脂が失われている間、皮膚を外部から保護し、乾燥から守る役割を果たす機能は他には備えられていません。

そこで登場するのが、保湿ケアなのです。

洗顔後の美容液、乳液やクリームが、バランス良く皮脂成分を補ってくれるのです。洗顔後の保湿ケアがとても大切だと言われている理由がわかりますね。

しかし皮脂の分泌量が多くて日頃から悩んでいる、オイリー肌の人もたくさんいます。皮脂の分泌が多いと、テカリや化粧崩れ、べたつきや毛穴詰まりニキビもできやすくなります。

また過剰な皮脂は、時間が経つと過酸化脂質という物質に変わります。この過酸化脂質は皮膚にダメージを与えて毛穴の開きを促します。さらに毛穴がつながって小ジワになってしまいます。

皮脂線が多く集まっているTゾーンは毛穴の開きがよく目立ちます。皮脂がたくさん分泌する部分は皮脂が酸化して過酸化脂質が起こり、お肌の老化を早めてしまうことにもなります。

健康で美しいお肌を維持するためには、余分な皮脂はすぐに取り除くことが必要なのです。

次からは、皮脂対策のスキンケアを説明していきます。

洗顔で皮脂対策

洗顔で皮脂対策
皮脂の分泌量は、男性ホルモンが影響しているため、遺伝的要素もあります。

しかし正しいスキンケアと規則正しい生活習慣、バランスのとれた食事を心掛けることで皮脂の量は抑えられるともいわれています。

余分な皮脂を取り除く対策として、洗顔がもっとも効率的でお肌の変化を実感できるお手入れ方法です。

洗顔の役割は古い皮脂を落とすことです。皮脂は水やお湯だけでは落とし切れないので、洗顔料を使います。

さまざまなタイプの洗顔料がありますが、天然成分由来の固形石けんがおすすめです。

泡立ちの良く手軽な洗顔フォームは、お肌の刺激となる合成界面活性剤が多量に入った商品がほとんどです。そのほか合成着色料や、香料・防腐剤・バラペンなどがたくさん配合されています。

毎日使う洗顔料はシンプルな素材でつくられたお肌に優しいものを選びましょう。

洗顔料を使うのは夜だけで、朝は水で流すだけという人も多いでしょう。

皮脂は睡眠中も分泌され、酸化しています。オイリー肌の人はとくに、朝も洗顔料を使ってしっかり皮脂を落とした方がよいでしょう。

しかし1日に何度も洗顔をするのはNGです。洗顔を頻繁に行うことでお肌に必要な皮脂まで洗い流されてしまうと、皮膚を保護する皮脂膜を失うことになります。

皮脂膜がなくなると、皮脂膜をつくるために皮脂の分泌量が増大してしまいます。これでは逆効果です。

洗顔は1日2回までにしましょう。

テカリや毛穴の皮脂詰まりなどが気になって、ゴシゴシと力を入れて念入りに洗うのもよくありません。

強い摩擦によって、お肌の水分を保つセラミドが流されてしまい潤いのないお肌になってしまいます。

正しい洗顔方法は、どのようなタイプの洗顔料でも、たっぷりの泡でお肌を包み込むように優しく洗うことがポイントです。すすぐ時はぬるま湯でしっかりと流します。

保湿ケアで皮脂対策

洗顔後のお肌は皮脂が洗い流され無防備状態です。時間を空けずにすぐに保湿ケアをしましょう。

毛穴トラブルの多くの原因は過剰な皮脂です。保湿ケアでは、皮脂分泌を抑制し、皮脂酸化予防が期待されるビタミンC誘導体が配合された化粧品を使いましょう。

ビタミンC誘導体はさまざまな種類がありますが、
・パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム
・3-0-エチルアスコルビン酸
・リン酸アスコルビルマグネシウム
・アスコルビルリン酸ナトリウム

などと表記されたものがよいでしょう。
保湿ケアの手順は、化粧水→美容液→乳液→クリームの手順が一般的です。

メーカーによっては異なる場合があるので確認して行ってください。

皮脂量をコントロールする生活習慣

皮脂の分泌量は、遺伝的な要素も大きく関係していますが、正しいスキンケアと、食事や生活習慣の見直しも日々の皮脂対策に大きく作用します。

とくに食事内容は皮脂の過剰分泌に大きく関わっています。

唐揚げ・天ぷら・ファストフード・ピザ・スナック菓子・ケーキやドーナツなどの甘いものは、皮脂を大量に分泌する原因となります。

その他、バター・チーズ・マーガリン・アルコールなども皮脂を過剰に分泌させてしまう食品です。日頃から食べ過ぎには注意しましょう。

不規則な生活習慣は、ホルモンバランスを崩す原因になります。皮脂分泌はホルモンが大きな影響を与えていますが、バランスを乱すことでオイリー肌となり毛穴トラブルを引き起こしてしまいます。

過度のストレス・睡眠不足・運動不足・過労などが原因でホルモンのバランスは崩れやすくなります。

質の高い十分な睡眠をとり、運動やストレッチを取り入れストレスをためないように心掛けましょう。

(まとめ)毛穴と皮脂の関係を知り、対策をすることが美肌につながります

(まとめ)毛穴と皮脂の関係を知り、対策をすることが美肌につながります

1.毛穴について知ろう
2.皮脂について知ろう
3.洗顔で皮脂対策
4.保湿ケアで皮脂対策

毛穴と皮脂の働きや関係を知ることで、毛穴トラブルを防ぎ、健康で美しいお肌を取り戻すことができます。

外側からお手入れだけでなく、内側からのケアも同時に行い皮脂を上手にコントロールしていきましょう。

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