ニキビ跡の赤みは治る?ニキビ跡の原因や正しいケア方法について

せっかくニキビが治っても、赤みが残ったり、茶色いシミのようになったりすることがあります。もう消えないとあきらめている人も多いのではないでしょうか。

皮膚は常に生まれ変わっているので、根気よくケアを続けていけば、目立たなくすることが可能です。ここでは、ニキビ跡の種類や原因、正しいケアについてご紹介します。

そもそもニキビ跡とは?

ニキビ跡とは、ニキビの炎症によって皮膚がダメージを受け、傷跡が残ったものです。

私たちの皮膚は表面から表皮・真皮・皮下組織の3層に分かれています。ニキビの炎症が悪化し、表皮だけでなく真皮まで傷つけてしまうと、コラーゲン繊維などが破壊され、赤みや色素沈着、クレーターなどのニキビ跡が残りやすくなります。

一口にニキビ跡といっても、いくつかの種類があります。今あるニキビ跡の種類や原因を知って、適切なケアをすることが大切です。

ニキビ跡の種類

ニキビ跡に種類はある?

赤みのあるニキビ跡

赤みのあるニキビ跡が残る原因として、肌の内部に炎症が残っているケース、皮膚の毛細血管が透けて見えているケースの2つが考えられます。

ニキビの症状が治っても、皮膚内部で炎症が続いていると赤みが残りやすくなります。また、その炎症により表皮から真皮にかけてダメージを受けると、表皮自体が薄くなり、皮膚下にある毛細血管が透けて見えることもあります。

赤みのあるニキビ跡は、ニキビと間違えられやすい見た目をしています。ニキビが治ってから半年以上経過しても消えない赤みは、皮膚が薄くなって赤く見えている状態と考えられるでしょう。

赤みのあるニキビ跡を放っておくと、色素沈着を起こすことがあります。抗炎症作用のあるニキビ治療薬などを使って、早めに炎症を抑えることが大切です。

茶色っぽい色素沈着

赤みのあるニキビ跡を放置していると、茶色っぽいニキビ跡に変化していきます。このニキビ跡の正体はメラニンです。

ニキビの炎症によってメラニンの生成工場であるメラノサイトが活性化すると、メラニンが過剰に作られてしまい、皮膚を変色させます。

健康な肌では、ターンオーバーによりメラニンがスムーズに排出されるため、肌の色は一定に保たれます。しかし、何らかの原因でターンオーバーが乱れると、メラニンが皮膚の中に留まり、茶色っぽいシミのような色素沈着を起こすのです。

色素沈着タイプのニキビ跡を本格的なシミとして定着させないために、美白ケアをすることをおすすめします。

クレーター

ニキビの炎症が進むと、化膿して膿が溜まることがあります。このようにニキビの症状が悪化した場合、炎症が真皮層にまで達し、真皮にあるコラーゲン繊維などが破壊されます。

ダメージを受けた真皮が修復できた部分、できなかった部分の差が凸凹になり、クレーターと呼ばれるニキビ跡になるのです。

クレーターになったところはターンオーバーができないため、元どおりの状態に戻すのは極めて難しいといえるでしょう。

悪化したニキビはニキビ跡が残りやすくなります。気になるからといって、爪などで無理に押し潰そうとすると、クレーターができる原因になるのでNGです。ニキビができたら、これ以上悪化させないよう、丁寧に洗顔して清潔に保ちましょう。

赤いニキビ跡への対策

ニキビ跡にはビタミンC

ニキビ跡が赤いうちは、比較的早い改善が見込めます。放っておくと色素沈着を起こして、治りにくくなる場合もあるので、早めの対処が肝心です。

赤みを抑えるにはビタミンCが有効

ニキビ跡の赤みが気になる人にとって、ビタミンCは心強い味方です。肌の再生を促し、赤みが目立ちにくい肌へと整えてくれます。

色ムラのない健やかな肌を取り戻すには、肌の生まれ変わりのリズムを正常化することがカギになりますが、ビタミンCには細胞を活性化して、肌のターンオーバーのリズムを正常化する働きがあります。

メラニンの生成を抑制する作用もあるため、ニキビ跡の色素沈着を緩和・予防する効果が期待できるでしょう。肌のハリと弾力を保つコラーゲン合成にも欠かせません。

さらに、抗酸化作用、消炎・抗炎症作用を併せ持ち、ニキビそのものの予防・改善に役立ちます。

細胞の修復を助けるコラーゲンも大事

コラーゲンとは、私たちの体を構成するタンパク質の1種です。肌や骨、血管など、あらゆる組織に存在しています。

表皮の内側にある真皮の大部分はコラーゲンとエラスチンという繊維状のタンパク質が張り巡らされ、その隙間をヒアルロン酸が埋めることで、表皮を支えているのです。

ニキビの炎症で肌細胞が傷ついた時、大量のコラーゲンが作り出され、細胞の修復を助けます。ところが、25歳を過ぎるとコラーゲンの生成量が減少して、傷の修復がうまくいかなくなり、ターンオーバーも遅れがちに。

自らコラーゲンを生み出す力が衰えた肌には、意識的に外から補う必要があります。コラーゲンを多く含む食品には、フカヒレや手羽先、うなぎなどがありますが、食事だけで毎日補うのは難しく、吸収率が低いという問題もあります。ドリンクやサプリなどで摂取するのが効率的といえるでしょう。

炎症を抑えるのに有効な成分とは?

炎症を起こしている赤みのあるニキビに対して、次のような成分が有効です。これらが配合された薬用化粧品を選ぶのがいいでしょう。

・アラントイン

抗炎症作用があり、ニキビで傷ついた肌を整える成分です。

・グリチルリチン酸ジカリウム

カンゾウ(甘草)と呼ばれる生薬由来の成分です。ニキビによる炎症を抑えます。

・トランサミン (トラネキサム酸)

メラノサイトの活性化を抑える働きがあり、ニキビ跡の色素沈着を目立たなくする効果が期待できます。

赤いニキビ跡に対するNGなケア

絶対ダメ!なニキビ跡ケア
普段ついやりがちなケアがニキビ跡の赤みを悪化させることがあります。当てはまるものはないかチェックしてみましょう。

紫外線対策を行わない

ニキビ跡の赤みがある状態で紫外線を浴びると、メラニンが過剰に分泌されて色素沈着を起こし、シミのように変色してしまいます。もし無防備な状態で紫外線を浴びてしまったら、まずは冷やして炎症を抑え、抗炎症成分が配合された化粧水やクリームなどでケアしましょう。

ピーリングをする際は注意

ピーリングは、ターンオーバーを促す意味では有効ですが、肌にとって刺激となるケースもあります。初めてピーリング剤を使う場合は、できるだけ刺激が少ない商品を選びましょう。かゆみやほてりなど炎症がある時は使用を控えてください。

力を入れてゴシゴシと洗顔すること

汚れを落とそうとして、スクラブ剤などで肌をゴシゴシ洗っていませんか。摩擦や洗顔料の刺激で肌を傷つけてしまい、ニキビが悪化したり、色素沈着を起こしたりする可能性があります。刺激の少ない洗顔料をたっぷり泡立てて、やさしく洗いましょう。

化粧品の選び方

ニキビの炎症でダメージを受けた肌には、香料や鉱物油、アルコールなどが刺激になる場合があります。化粧品の容器やパッケージに書かれた成分表示を確認し、これらが配合されているかどうか確認しましょう。

化粧品の中には、ニキビ肌や敏感肌の人が使用しても問題ないかどうかをテストしたものもあります。「ノンコメドジェニックテスト済み」「パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」などの表記も参考にして、できるだけ刺激の少ない化粧水や乳液を選ぶことをおすすめします。

そもそもニキビ跡を防ぐには?

ニキビ跡を残さないために

洗顔・保湿をしっかりおこなう

洗顔と保湿はスキンケアの基本です。洗顔はしっかり泡立てた泡で汚れや皮脂をやさしく浮かして落とします。洗顔後は肌が乾燥しやすくなっているので、化粧水でたっぷりうるおいを与えましょう。

ニキビができやすい肌質だと、乳液やクリームを使うことに抵抗があるかもしれませんが、みずみずしい肌を保つためにも、油分でフタをする必要があります。化粧水を使ったあとは、乳液やクリームを重ねて使いましょう。

紫外線対策をしっかりする

紫外線の刺激はニキビを悪化させ、色素沈着を引き起こす原因になります。日頃から日焼け止めを使用し、外出する際は帽子や日傘、UVカット加工がされている長袖などでカバーしましょう。

ファンデーションを塗りすぎない

ニキビがあると、メイクで隠したくなるもの。しかし、ファンデーションを厚塗りすると、毛穴を詰まらせアクネ菌の増殖を招き、ニキビの悪化を招きます。また、厚塗りした分、クレンジングも念入りにしなければならなくなり、肌に刺激を与えてしまうことに。ニキビを悪化させないナチュラルメイクを心がけましょう。

ニキビに触らない

ニキビを触る、つぶすなどの行為は、ニキビ跡が残る原因になりますし、クレーターのような跡が残るリスクも高まってしまいます。なるべく触らないようにして、清潔に保つことを心がけましょう。

しっかり治したい場合は皮膚科へ

ニキビ跡が治らない場合は皮膚科へ

皮膚科では、ステロイドや非ステロイドの塗り薬、抗生物質やビタミン剤などの飲み薬、レーザー治療、ケミカルピーリングなど、より効果的な治療が受けられます。症状によって治療法が異なるので、まずは医師に相談してみましょう。

まとめ

色素沈着や凸凹を伴うニキビ跡は、セルフケアだけでは治りにくいもの。日頃からニキビを作らない・悪化させないケアをすることが大切です。

ニキビの悪化・ニキビ跡を防ぐためには、皮膚を清潔に保ち、うるおいを補給して、紫外線から肌を守ることが基本となります。

スキンケアや生活習慣を見直して、ニキビができにくい肌をめざしましょう。

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